約 3,810,545 件
https://w.atwiki.jp/earth_core/pages/12.html
EarthCoreからのお知らせ EarthCore公式discordからの大事なお知らせを掲示しています。 Discordから確認できない方は定期的に確認してください。 EarthCore公式discord招待リンク 目次 2024/07/08 00 56メンテナンス 2024/07/07 22 58投票サイトの公開 2024/07/07 12 48銃のグラフィックを追加するリソースパック 2024/07/05 21 47EarthCore公開! 2024/06/29 15 54メンテナンス延長及びリセットとお詫び 2024/06/29 12 58メンナンス 2024/06/08 22 00サーバーのβテスト 2024/06/08 21 32サーバーのβテストについて 2024/05/25 19 39寄付について 高松市作成イベント 2024/05/21 18 40EarthCore 説明会 自治体再現プロジェクトについての募集 2024/05/11 10 02Discordの移設について 2024/05/06 00 38ベータテスト終了 2024/05/03 18 44ベータテストのお知らせ 2024/07/08 00 56 + メンテナンス メンテナンス セキュリティ上の問題が発覚したため、メンテナンスに入ります。 期間 7/08 ~7/09 (火) 18 00まで 2024/07/07 22 58 + 投票サイトの公開 投票サイトの公開 投票サイトを用意しました Mineportal monocraft 2024/07/07 12 48 + 銃のグラフィックを追加するリソースパック 銃のグラフィックを追加するリソースパック お待たせいたしました。 銃のグラフィックを追加するリソースパックを配布いたします。 また、配布にあたり M1940 STG-44 のモデルをリニューアル! より精密なモデルになりました! 🎨|リソースパックよりダウンロードをお願いいたします。 なお本リソースパックはJava版限定となります。統合版での使用はできませんのでご注意ください。 2024/07/05 21 47 + EarthCore公開! EarthCore公開! 統合版の入れない問題が直前で発覚し、予定時刻より遅れてしまったことを謝罪いたします。 戦争に関して /warp の周辺地域は戦争区域に指定されます 戦争に参加したくない方は最低でも半径20チャンク以上離れることをお勧めします 2024/06/29 15 54 + メンテナンス延長及びリセットとお詫び メンテナンス延長及びリセットとお詫び サーバー公開後、間も無くして多くの問題が発覚しました。 【発覚した問題】 ・βテスト時のエンダーチェストの中身が引き継がれる ・帯域不足によるサーバーの不安定化 ・サーバーマシンのスペック不足 ・キープインベントリが無効になっている ・キューサーバーの不具合 等々の致命的な問題 これらの問題を受けまして一度サーバーをリセット致します。 この度は、参加していただいた皆様には多くのご不便をおかけしましたので、お詫びとして以下のものを次回参加時に全員に配布します。(公開後1週間以内にお受け取りください) 【お詫び】 ・刀ガチャキー 10本 ・耐久力 3 入れ食い 3 の釣竿 現在解決に向けて尽力しておりますが、万全な状態でサーバーを開くために、いましばらく、お時間をいただくことになりそうです。 なお予定再開日については 2024年 7月5日 (金) 21 30 ~ を予定しています 2024/06/29 12 58 + メンテナンス メンナンス サーバーが不安定極まりないのでメンテナンスに入ります 具体的な内容 ・プロキシの更新 ・軽量化 ・不具合の修正 ・優先キューに関しての整備 かなり時間を要します! サーバーは今日の夜 21 30に開く目標です。 延期になる場合にはその都度連絡いたします。 2024/06/08 22 00 + サーバーのβテスト サーバーのβテスト サーバーの性能上、今回メンションすることはありません。申し訳ございません。 テスト内容 Jobs の報酬 アドレス Java play.earthcore.app BE cit-epinions.with.playit.plus ポート 1151 ※ サーバーデータはリセットされます。規約をよくお読みください。他人に迷惑をかける等人物がいた場合、本期間中BANされることがありますがご了承ください。 ※ βテスト中に広報用写真をとることがございます。 ※24 00 以降はサーバーの開発のため、再起動が繰り返されます。 2024/06/08 21 32 + サーバーのβテストについて サーバーのβテストについて サーバー機の性能上、βテスト公開はゲリラ的に行いますがご了承ください。 ゲリラβテストの公開はこちらのお知らせにて記載しますのでその他の情報は信用しないようお願いします。 2024/05/25 19 39 + 寄付、高松市作成イベントについて 寄付について 寄付カテゴリーを公開しました。サーバーの維持・性能アップのためにご協力できる方はお願いします。 寄付に関してはこちらをご確認ください。 高松市作成イベント 香川県高松市を再現した実寸大ワールドを作成中です。完成後は高松市や国土交通省四国地方整備局のホームページにて公開される予定です。建築を手伝っていただいた方にはEarthCore通貨を贈呈予定です。 詳しくはこちらをご確認ください。 2024/05/21 18 40 + EarthCore 説明会 自治体再現プロジェクトについての募集 EarthCore 説明会 自治体再現プロジェクトについての募集 サーバーの開始を楽しみにしてくださっている方に向けて説明会を開きます。新着情報の公開や今後のスケジュールなどを一挙公開します。その他現在進行中の自治体提出向けの建築イベントについても説明会を行います。ぜひ、予定の空いている方は参加してみてください。 日時 5/22 (水) 21 30 ~ 場所 #説明会場 説明方式 PowerPoint と合わせたプレゼンテーション方式 ※参加できなかった人に向けて後日資料を配布 2024/05/11 10 02 + Discordの移設について Discordの移設について 今後、EarthCore Discordをマルチコア Discordに移行することを考えています。 まだ未参加である方は参加のほどよろしくお願いします。 マルチコアDiscord招待リンク 2024/05/06 00 38 + ベータテスト終了 ベータテスト終了 本日はたくさんの方にベータテストをプレイしていただきありがとうございました。 以上をもちましてベータテストは終了となります。 ベータテスト初日から不具合が多発し、プレイしている皆様に多大なご迷惑をおかけしてしまいました。お詫び申し上げます。 ベータテストで得られたデータや皆様から寄せられたご要望等を元に、正式リリースに向けサーバーの開発を行いたいと思います。 皆様におかれましては、正式リリースまでお待ちいただけますと幸いです。 ベータテストをプレイしていただき誠にありがとうございました。 2024/05/03 18 44 + ベータテストのお知らせ ベータテストのお知らせ 日程 5/03 ~ 5/05 24 00 サーバーアドレス Java play.earthcore.app BE (統合版) cit-epinions.with.playit.plus Port 1151 マップ https //earthcore.fun/map ※ 24 00 ~ 9 00 はサーバーが停止します。 ※ サーバーは突如メンテナンスに入る可能性があります。 ※ ベータ期間終了後、サーバーデータは全て消去されます。 ※ 現在整備中であり、様々なバグが発生すると予想されています ご注意事項をご確認の上、ご参加をお願い致します。
https://w.atwiki.jp/ercr/pages/2353.html
発売日 2002年3月29日 ブランド RUNE タグ 2002年3月ゲーム 2002年ゲーム RUNE キャスト まきいづみ(サラサ),岩田由貴(オノマ),清水香(エクリシア),遠野由佳(ヴィヴリオ),皆美伊吹(ソコラタ),星美智江(ゾフィー・V・シャウベルガー),松井みどり(東雲光子),海原エレナ(アンナ・0),富永理恵(アラフニ) スタッフ 企画原案:井上純弐,T.O.Y. International 原画:井上純弐 シナリオ:渡辺ヒロシ,中村やにお グラフィック:RUNE プログラム:MeeK,ちだ スクリプトワーク:あく,おうば,鶴,masin 背景美術:みいる,Talos,ゆうき 背景加工:Mえっち系,逢坂呼志子 音楽:Riverside Music Vocals:木蓮 Acoustic Piano:上松範康 Strings:弦一徹 All Other Instruments Programming:上松範康 Mixed and Engineered by 河辺健宏&上松範康 Mastered by 河辺健宏 Editted by 藤間仁 Some samples used under license from AMG オープニングアニメーション 演出:橋本珍也 作画監督:小川真也 原画:小川真也,中島聡,しまだひろあき 動画検査:中島早苗 動画:大薮佳奈子,大内麻衣子,白石順子 背景:すずめ 色指定・検査:金子直美 仕上げ:野田由美子,成合由紀 製作進行:坂本和義(スタジオ・バース) メンシェンイェーガーデザイン:比内鳥さねよし コスチュームデザイン:いのうえとみい 資料提供:MCT 協力:(株)マウスプロモーション,(株)シグマ・セブン,(有)賢プロダクション,(株)81プロデュース,(株)ぷろだくしょんバオバブ 音声収録:USE Studio,Tomohiro Endo(Xuse) 音声加工:masin,ちだ 音声マネジメント:近藤靖尚 広報:あじょぁ DTP:樹真,遊び人の仲さん デバッグ:ALL STAFF 参考文献:『元型論』C.G. ユング著 林道義訳 紀伊国屋書店刊,『舊新約聖書 文語訳』日本聖書教会 Special Thanks:遠藤卓司,松代守弘,森野たくみ,たのあきら,金澤尚子,伊吹千本槍,司令9,松下圭都 ジェネラルプロデューサー:D.T.
https://w.atwiki.jp/storyteller/pages/1079.html
ARMORED CORE for Answer(アーマード・コア フォーアンサー) ・プロローグ~企業連シナリオ:part38-108~111,113~115,302,303 ・ORCA旅団シナリオ:part41-208,209 ・虐殺ルート:part45-132~134 108 :ARMORED CORE for ANSWER◆Wt.9gmqyiA:2008/04/10(木) 12 50 45 ID Sdalp1aA0 戯れに書いてみたプロローグ部分。 開始時点で既にめちゃくちゃに絡み合ってる上にグダグダな状況が、 アーマードコアの話によくある救いの見えなさだなと再認識してしまった。 国家解体戦争から数十年を経た、近未来。 リンクス戦争(アーマードコア4参照)により、地上には汚染と言う名の爪痕が深く刻まれ、 空気は澱み、大地は荒れ果て、海は濁り、清浄だったはずの地表は荒廃の一途を辿っていた。 支配者たる企業はリンクス戦争後も利権争いを辞める事無く、ネクストACによるコジマ汚染を 地表へと広げ、大地を汚し尽くした。 そして、企業は遂に汚れ切った地表を見限り、新たな生活空間を空に求める。 高度7000mの高空を漂う居住プラットホーム、クレイドル。 人類の過半は未だ汚染の及ばぬ空へと移り住み、地上は資源基地と、それを巡った 企業たちの争いの舞台に成り果てていた。 ここにおいて企業たちは気付く。 リンクス戦争、国家解体戦争、その両方において戦局を大きく変えたネクストは、 たった一人の個人が運用するには余りに過ぎた力であると。 そしてその代替品とすべく、大多数の凡人によって制御される、代替容易な 巨大兵器、アームズフォート(AF)を開発した。 更にネクストを駆るリンクスを「管理機構カラード」によって統括しようと考えた。 企業社会においてのリンクス、圧倒的戦闘能力を持った個人と言う存在の企業社会への 危険性を前戦争から学んだとは言え、戦力としてネクストACは非常に魅力的である。 それと同時に、ネクストなしでネクストを相手にする事への恐怖が存在した事もあり、 各企業はリンクスの占有権を放棄し、これを共同で管理する方式を取る事にしたのであった。 しかし、この共同管理も既に絵空事に過ぎず、企業社会の平和と秩序を維持すべく作られた 「企業連」は既に政治力に優れたオーメル・グループの意向を伝えるだけの傀儡と化している。 企業専属とも言えるリンクスたちを抱え込んだ企業は、飽きる事無く争いを繰り返すばかり。 更に、その企業支配を批判する自由都市「ラインアーク」も来るもの拒まずの考えにより、 企業の支配権争いに敗れた輩が流入したことによって腐敗。 圧倒的な貧困と急激な人口増加により、掲げた理想は既に何の役にも立たず、 自らが擁する最高クラスのネクスト戦力「ホワイト・グリント」を傭兵とする事で資金を 調達すると言う状況に陥っている。 先の見えない争いが延々と続く混迷の時代。その渦中に、一人のリンクスが降り立つ。 三大企業グループの一つ、インテリオル・ユニオンにおいて最高の戦力と呼ばれた女性リンクスに 見出された彼がラインアーク襲撃の任務を請け負う所から、この物語は始まっていく。 109 :ARMORED CORE for ANSWER◆l1l6Ur354A:2008/04/10(木) 12 57 26 ID Sdalp1aA0 ああああ、トリップ完全に間違えた、済みませんです。 110 :ゲーム好き名無しさん:2008/04/10(木) 13 04 08 ID v2YLfC5PO 戯れに書いてみたってことはこれで終わり? 111 :ARMORED CORE for ANSWER◆l1l6Ur354A:2008/04/10(木) 13 09 48 ID Sdalp1aA0 再プレイしながら書き上げていくつもりです。 マルチエンディングなので三周しないと駄目なんで。 113 :ARMORED CORE for ANSWER◆l1l6Ur354A:2008/04/10(木) 23 04 06 ID Sdalp1aA0 とりあえず本格的に分岐する直前となるチャプター2、終了までを Chapter1 ラインアーク襲撃~アームズフォート スピリット・オブ・マザーウィル撃破 リンクスとしての初陣、己の試金石でもあるミッション。 ラインアークに展開する敵ノーマルACを排除し、殲滅すべく彼は動き出す。 カラードに登録した新たなリンクスの力がどの程度なのかを、企業連としても確かめたいのであろう。 とは言え、初めからラインアーク最強の防衛戦力であるホワイト・グリントにぶつけるつもりはない。 ホワイト・グリントが作戦行動中の隙を突き、守備部隊を全滅させ、攻撃的な態度を保つ ラインアークに対して脅しを掛ける。それが企業の狙いであった。 彼は見事にそれをやり遂げた。 MTとノーマル如き、圧倒的な機動力と防御力を持つネクストの相手ではない。 ある程度は使えるか、という評価を得たのだろうか、ここから傭兵としての活動が本格的に始まる。 持ち込まれる依頼は、多岐に渡る。拠点型AF撃破、施設防衛部隊排除、建造中のAF破壊。 着々と依頼をこなし、評価を上げていく「彼」の元へ、ある時、毛色の違う依頼が舞い込んできた。 三大企業の一つ、オーメルからの注目を受けるこのミッションを成功させれば、 傭兵として躍進出来るのは間違いない。 多少の危険を侵す事も覚悟の上と考えたのだろうか、彼はその依頼を躊躇いなく引き受けた。 オーメル・サイエンスからの依頼の内容、それはBFF社の主力アームズフォート、 スピリット・オブ・マザーウィルの破壊である。 全高600m、全長2700mの巨重の制圧範囲は半径100kmにも及び、その主砲はネクストに対して 致命傷を与えるに十分な威力を持つ、現存するアームズフォートでは最強の一角を担う物であった。 SoM攻略のために提案された作戦は、時速2000kmを叩き出す外付け型推進装置、VOBによる強襲。 懐に飛び込んだ後に衝撃の伝播しやすい砲台を叩き、内側から自壊させる。 遠距離での主砲、近距離での機関砲やミサイルの弾幕を掻い潜って肉薄した彼は、 狂気の産物としか思えぬほどに巨大な鉄の獣を、遂に屈服せしめた。 マザーウィルの中央構造体が内部に伝播した衝撃の負荷に耐えかね、裂けていく。 お前も一端になってきたな、と言うオペレータの賛辞を心地良く受けながら、その様を眺める彼。 企業の誰もが注目したミッションは大成功の内に終わった。 彼への評価は、変わっていく。 新参の傭兵、ノーマル程度の相手が関の山でしかないという低い評価から、 高い能力を持ったネクスト戦力であるという評価へと。 カラードも、ラインアークも、次第に彼を重要視し始めたのだ。 そして、闇に隠れた第三勢力も、また。 114 :ARMORED CORE for ANSWER◆l1l6Ur354A:2008/04/10(木) 23 05 51 ID Sdalp1aA0 Chapter2 ラインアーク攻防戦 彼の元に集う依頼は、徐々にその重要度を増していく。 管理機構カラードに所属していない、不明ネクストの撃破。 全長7kmにも及ぶ巨大AFに侵入して動力炉を破壊し、撃破する。 巨大なブレードによる体当たりを仕掛けてくる、新型AFの排除。 ラインアークの命綱とも言える電源施設、メガリスの防衛。 その全てを着実にこなす彼の評価は、上がり続けるばかりであった。 傭兵としての日々を過ごす彼の元に、転機とも思える依頼があった。 企業連とラインアークの双方から相反する依頼が飛び込んできたのである。 企業連の依頼は、ラインアーク最高の戦力であるカラードランク9、ホワイト・グリントの排除。 カラード最高ランクであるオッツダルヴァと共にこれを撃破して欲しい、というものであった。 ランク9と言えど、それは政治的な配慮ゆえであり、実際はそれよりも遥かに強力なネクストである。 戦力的には唯一の拠り所であるホワイト・グリントを失えば、ラインアークの抵抗の意思は崩れ去る。 企業連は膠着する状況に苛立ち、ラインアークに対して剥き出しの悪意をぶつけるに至ったのだ。 ラインアークより寄せられたのは、企業連のネクストを迎撃して欲しいとの依頼だった。 ホワイト・グリントという強力な切り札はあれど、本気となった企業連を相手にするには心許ない。 だからこそ、もう一枚のジョーカーを用意したい。それが貴方なのだ、と―― Chapter2-A ホワイト・グリント撃破 企業連の依頼に従い、ホワイト・グリントを排除すべくラインアークに向かった彼とオッツダルヴァ。 ホワイト・グリントのオペレータはフィオナ・イェルネフェルト。 かのリンクス戦争の英雄、アナトリアの傭兵のオペレータを努めた女性でもあった。 ホワイト・グリントのリンクスが「アナトリアの傭兵」だとすれば、苦戦は避けられない。 しかし、カラードのトップランカーとの協同であり、二対一と言う状況だ。 毒舌家であるオッツダルヴァに「お前は空気で構わんがな」等と暴言を吐かれつつも、彼はホワイト・グリントを追い詰めていく。 しかし、ホワイト・グリントの放った銃弾が急所に命中でもしたのだろうか、 オッツダルヴァの乗機であるステイシスのメインブースタが機能不全に陥った。 「メインブースタがイカれただと!狙ったか、ホワイト・グリント!よりによって水上で…… クッ、ダメだ、飛べん!……浸水だと!馬鹿な、これが私の最後と言うか!認めん、認められるか、こんな事!」 海上でのブースタの損傷により、水没していくステイシスの中でオッツダルヴァが叫ぶ。 最高クラスのネクストとの単独戦闘の危険性に、オペレータが思わず呟く。 「馬鹿な、単機でやれと言うのか……」 しかしそれまでのダメージもあってか、単機でホワイト・グリントとの戦闘を続行した彼は辛くも敵機を撃破するのであった。 115 :ARMORED CORE for ANSWER◆l1l6Ur354A:2008/04/10(木) 23 09 35 ID Sdalp1aA0 Chapter2-B ラインアーク防衛 ラインアークの依頼を受けた彼は、ホワイト・グリントと共にラインアークの警備の任に付く。 刺客の名はランク1、オッツダルヴァ。そしてランク17、フラジールを駆るCUBE。 「政治屋ども、リベルタリア気取りも今日までだな。貴様らには水底が似合いだ」 皮肉るような口調で言うオッツダルヴァ。 そして、カラードとラインアーク、双方の最高のリンクスたちによる激戦が幕を開けた。 ステイシスとホワイト・グリントは激戦の中で共に倒れ、彼に討たれたCUBEも海中に没する。 クレイドルで最も優れたリンクス達の戦いは、ただ一人…彼だけが生き残って終わる。 「これでラインアークは終わりかもしれません…」ホワイト・グリントのオペレータが呟く。 しかし、ラインアークの子飼いでない彼には、それほど関係のない話なのであった。 彼がどちらの道を選んだにせよ、大筋は変わらない。 最高のネクストたちの戦闘の渦中で、彼一人が生き残った。 その事が、彼に対する注目を更に集めさせる。 そして、ラインアークは最高の戦力を失った事で張子の虎となり、瓦解していく。 彼に目を付けた勢力は、すでにラインアークだけにとどまらない。 その中に、とある反動勢力があった。 旧レイレナードの精神を受け継ぐ逆関節ネクストを駆る、反動勢力の長。 その名を、マクシミリアン・テルミドールと言う。 Chapter2-3 幕間 テルミドールとその懐刀、メルツェルの会話 ――ホワイトグリントは戦闘不能。ステイシスは海中に没し、オッツダルヴァは生死不明、か。 やり過ぎだな、メルツェル。 ――よく言う、誰が手間を掛けさせたのか。 ――すまんな、完璧主義者なんだ。 ――…まあいい、これでやっと、最初に戻ったんだ。時期もある、クローズ・プランを開始しよう。 ――その事だが……少しだけ待てないか? ――パートナー、か。 ――ああ、強いだけの阿呆でもないようだ。試すだけの価値はあるだろう。 状況は既に手遅れだが、同時に緩慢だ。今更、焦るほどの事もあるまいよ。 302 :ARMORED CORE for ANSWER◆l1l6Ur354A:2008/04/24(木) 20 22 44 ID nUUJ8abI0 レッドリング発動したせいで遅くなってしまった とりあえず企業ルート chapter3 統治企業連合ルート ラインアークの戦闘によって名声を得た彼に寄せられる依頼は、更に多種多様になっていく。 その中に一つ、毛色の違う組織からの依頼があった。 その依頼主の名は、ORCA旅団と言う。クレイドル体制をよしとしない反動勢力だ。 クレイドルのエネルギーを賄うアルテリア施設の破壊を求めるORCA旅団の依頼。 しかし、彼がそれを請ける事はなかった。 ラインアークに引導を渡すなど、重要な依頼が増えたというのにそんなものに手を出している暇はない。 そしてアルテリア施設破壊の依頼が書類の中に埋もれ、忘れ去られた頃。 反動勢力ORCA旅団は企業連合、そしてクレイドルに住む人類たちに向けて牙を剥く。 クレイドルを賄う膨大なエネルギーを生み出すアルテリア施設に、複数のネクストによる同時奇襲攻撃を仕掛ける、と言うのだ。 その情報は信憑性には疑問が残るものの、場所が場所、クレイドルの屋台骨と言えるアルテリアである。 彼の元に、アルテリア施設防衛の依頼が来るのも無理はないといえた。 結果から言って、アルテリア施設の防衛には成功。襲撃を行ったネクストをローゼンタール社のネクスト、 ノブリス・オブリージュとともに破壊する事が出来た。 しかし、その他のアルテリア施設への襲撃は、多くはORCA旅団の勝利に終わり、 クレイドルは拠って立つエネルギー基盤を大きく揺るがされたのである。 そして、その襲撃の直後――ORCA旅団長、マクシミリアン・テルミドールの名でごく短い声明が世界に発信される。 To Nobles welcome to the earth. それは清浄な空に暮らす特権階級を、汚染された地表へ引き摺り下ろすと言う意思を込めた、痛烈な皮肉であった。 企業連合は安穏とした戦争を放り出し、狂気の反動勢力に対しての対応を余儀なくされる。 その意図が何処にあるのかは、一リンクスでしかない己には分からないがカラード所属のリンクスとして、 彼も対ORCAとの戦闘に駆り出されていく事となったのである。 chapter4 ORCA旅団の正体は依然として不明。しかし、リンクス戦争において旧レイレナードが開発した衛星破壊砲、 エーレンベルクを擁している事からその正体はレイレナードの亡霊ではないか、と考える者も幾人か存在した。 しかし、推測は推測。致命的な敗北は免れている物の、ORCA優位に進んでいる現在の戦況において、 そんなものは何の役にも立ちはしない。 そんな中、ORCA旅団の本隊が旧グローバル・アーマメンツ本社、BIGBOXに集結しているとの報が入った。 カラードはこれにランク3、ウィン・D・ファンションが駆るレイテルパラッシュを差し向ける。 彼もそのパートナーとして随行する事となった。企業は、ORCAの息の根をこれで止めるつもりでいた。 BIGBOXにおいての決戦でORCA旅団の参報的役割を果たしていたメルツェルは倒れる。 最後に残したのは、「最早私も無用」、そして「人類に、黄金の時代を」という言葉。 マクシミリアンの姿は――ない。メルツェルを囮に、彼は企業との密約を結んでいたのだ。 企業はORCAを黙認する。そして、ORCAは企業首脳の生命を安堵し、彼らの過去を秘匿する。 ORCAは打算家たちの性質を知悉していたのである。自らが安全ならば、全てを賭ける必要はない。 破壊からの復興は新たな富を生み出す土壌、経済成長の礎となるのだから。 この密約により企業、そしてカラードはORCAへの不干渉を貫く構えとなっていた。 ORCAの前に立ち塞がる者は、最早存在しなかった。 クレイドルで眠る無辜の人々を犠牲とする事を拒んだウィン・D・ファンションと、 そのパートナーである彼を除いて。 303 :ARMORED CORE for ANSWER◆l1l6Ur354A:2008/04/24(木) 20 25 45 ID nUUJ8abI0 Last mission アルテリア・クラニアム防衛 世界最大のアルテリア、クラニアムを失えば、クレイドルは地上に落ちる。 多くの弱い人々は、汚染された地上に生きられない。 それを知ってORCAを黙認する企業に従う事を、ウィン・Dの矜持は許さなかった。 そして、ビッグボックスにおいて共に戦った彼に協力を求めた。個人として。 彼もまた、それを受け入れる。クラニアムを襲撃するORCAのリンクスを始末し、クレイドルを守るために。 クラニアム中枢へ向かう最中、ウィン・Dが言葉を漏らす。 「貴方には、感謝している。嬉しかったよ」、と。ただ一人で立ち向かう事も、覚悟していたのだろう。 しかし、賛同する者がいた。それが嬉しかったのだ、と。言葉を飾らないウィン・Dらしい言葉だ。 直後、彼らはクラニアム中枢へとたどり着く。 待ち受けていたのはマクシミリアン・テルミドール――ORCA旅団の長であった。 「お前たち、やはり、腐っては生きられぬか」 己の命を守るために罪なき人々を見捨てる企業とは違い、立ち向かってくるリンクスにテルミドールが呟いた。 戦いは、結果的にウィン・Dとパートナーの勝利に終わった。 「心しておけ、お前たちの惰弱な発想が、人類を壊死させるのだと…」 クラニアムはコジマ粒子をエネルギー源としている。このままクレイドルが飛び続ければ、徐々に汚染は清浄な空をも侵す。 「人類」を生かすために、多くの弱い人々を犠牲にする。それがテルミドールの考え。 「人類など、どこにもいないさ……オッツダルヴァ」 死の間際にいるであろうテルミドール=オッツダルヴァに向け、ウィン・Dがそう言葉を返した。 個を切り捨てられないウィン・Dにとっては、個人の生命を踏みにじるORCAは受け入れ難かったのだろう。 無干渉を貫いた企業は、ORCAを討ち果たした二人のリンクスに煌びやかな賛辞で報いると、 その残滓を追い立て、統治者の威厳を知らしめていく。 「尊い平和は守られた」。彼らは、そう宣言した。 クレイドルは、今も悠然と空を飛び続けている。全てを忘れられる、幸せな人々を乗せて。 これが企業連ルート、後二つもその内に 208 :ACfA◇l1l6Ur354A:2008/09/05(金) 04 47 37 ID jO/GSoFe0 ARMORED CORE for Answerの企業編のみだったのでORCA編 途中までは企業編とほぼ一緒 分かれ目はホワイトグリントとの戦闘後にORCAからの依頼を受けること 依頼の内容は主要アルテリア施設である、アルテリア・ウルナの破壊であった。 人類の過半が住まうクレイドルであるが、 そのよって立つエネルギー基盤であるアルテリア施設が破壊させることは現世界の崩壊を意味する。 当然のことながらORCAに与するということは、世界をそれを支配する企業国家を相手にするということである。 主人公はウルナの破壊に成功しORCAと行動を共にすることとなる。 ORCAのメンバーはカラードにいたもの等も含めて様々であるが、中心に存在するのはリンクス戦争当時のリンクス。 その中でも特筆すべきなのが旧レイレナード所属の人間達であり、まさにレイレナードの亡霊である。 国家解体戦争以前、国家間の争いの激化の果てに致命的な兵器アサルトセルが開発された。 それは、地球と宇宙空間を閉ざす、無差別に攻撃を仕掛ける自立飛行兵器であった。 (実際にミッション内で攻撃を受けることが出来るがダメージ0 色々と突っ込みどころの設定であるが突っ込まないように) その結果、地球は閉ざされ宇宙への開拓は無くなった。テルミドールは言う。「それが我等の咎」だと そして、再び人類の宇宙開拓を目指したのがレイレナードの提唱したクローズプランであり、現ORCAの存在理由である。 ORCA旅団はクローズプランを開始する。主要アルテリア施設の同時強襲である。 主人公はアルテリア・カーパルス襲撃を行うこととなる。 結果としてそのほとんどは成功し、クレイドルはそのよって立つエネルギー基盤を失うこととなり、 人々はそのおぼつかない足元にはじめて気づいたかのように恐怖するのであった。 209 :ACfA◇l1l6Ur354A:2008/09/05(金) 04 48 23 ID jO/GSoFe0 物語は終盤へと突入する。 ORCA旅団にとって作戦の最重要施設である衛星掃射砲が企業連側に攻撃を受けるのである。 この衛星掃射砲を使用しアサルトセルを殲滅することで初めて宇宙開拓への一歩となる。 (前作で登場したエーレンベルク砲であるが、この小型衛星掃射砲三門がレイレナードのものであるか 全てオーメルの思惑通りなのかはいまいち理解にかける。保管してくれると助かる) 主人公はガチリンとともに敵ネクスト級2体とAF級1体を撃滅し衛星掃射砲守備に成功する。 企業連は最終的な切り札として最強のAF、アンサラーを実戦配備する。 全身コジマ兵器の巨大な塊で信じられないことに浮遊型である。その影響は凄まじいもので 大地には致命的なコジマ汚染を撒き散らし、ゲーム機本体にはフリーズを連発させユーザーを悪夢のどん底えと追いやった。 それも撃破し、もはやORCAに敵は無くなり、最後のミッション、アルテリア・クラニアム襲撃へと物語りは進む クラニアムには企業連とは独自に動いていたレイテルパラッシュとマイブリスのネクスト級2体が待ち構えている。 これは企業連ルートの主人公がマイブリスになったと考えればよい。 ここで驚くべきはハードにおいてテルミドール=オッツダルヴァが企業連側として主人公と敵対することである。 このことについてはもはや脳内保管するしか方法の無い状態である。 これまでのシリーズを考えればテルミドールは元々企業側の人間でイレギュラーな主人公を狩ることが目的だったのであろうか ともかく主人公は全てのネクストを粉砕しアルテリアのエネルギーを使用することで衛星掃射砲のエネルギーを確保し 人類の宇宙開拓への道を回復させることでクローズプランを成功させる。 これでORCA編完 疑問としてはやはりオーメルサイエンステクノロジーの暗躍である。 それにしても想像の範囲を超えないわけではあるがそのあたりは脳内保管することで良しとして欲しい それがシリーズを通して、ゲームの完成なのだから... 132 :ACfA:2009/04/05(日) 01 47 29 ID UtDk4K0s0 虐殺ルート ストーリー分岐は共通からORCAルートに分岐直後 ORCA旅団による全面攻勢が開始された直後、カーパルスより帰還した「首輪付きのリンクス」に一通の依頼文が届く。 依頼主はORCAのメンバーにして、『最も過激な反企業集団』として知られる武装勢力リリアナのリーダーでもあるオールドキング。 依頼内容は、クレイドル03の破壊。 クレイドル03は五機の「クレイドル」によって構成され、その総人口は一億を超える。これを全て破壊するというのだ。 ORCAのやり方を手ぬるいと批判する彼は、リンクスに語りかける。 ――革命など、結局は殺すしかないのさ。だろう? そして彼はオールドキングと共に03へ向かう。破壊と殺戮のために。 クレイドル03から帰還後も、彼はオールドキングと行動を共にする。 オペレーターであり師でもある「彼女」も、人類のために汚名を被り、クレイドルを止めようとしたORCAも、 クレイドル自体を――その住民ごと――攻撃するような彼らを見捨ててしまったからだ。 その二人に、三大企業グループの一つ、インテリオル・ユニオンから依頼が舞い込む。 依頼内容は三大企業の残る二つ、GAとオーメルに再奪取されたアルテリア・カーパルスの占拠。 敵戦力の情報無し。ミッションプラン無し。そしてそれを詫びるかのような高額な報酬と、 「このミッションは、人々の安全と世界の安定の要なのです」と語るインテリオルオペレーターに送り出され、二人はカーパルスを目指す。 133 :ACfA:2009/04/05(日) 01 51 14 ID UtDk4K0s0 アルテリア・カーパルスには――予想通りの光景が待っていた。 カラードランク4。ローディのフィードバック カラードランク3。ウィン・D・ファンションのレイテルパラッシュ カラードランク2。リリウム・ウォルコットのアンビエント カラードランク1。オッツダルヴァ/マクシミリアン・テルミドールのステイシス ネクストに対して最も有効な戦力は「より強力なネクスト」。企業連は保有する最強戦力をもって二人を倒そうというのだ。 決戦の直前、クレイドル撃墜に怒りを表す傭兵達に、オールドキングは嗤いながら答える。 ――選んで殺すのが、そんなに上等かね? そして戦いが始まる。 現存する最強のリンクス達の戦いは、五人の死者と一人の勝者を残して終る。 相棒であるオールドキングすら失った彼は、たった一人、カーパルスを後にした。 「この後、たった一人のリンクスにより、クレイドルは深刻な出血を強いられる」 「人類種の天敵とすら呼ばれた彼は、史上最も多くの人命を奪った個人でもある」 134 :ACfA:2009/04/05(日) 01 57 20 ID UtDk4K0s0 以上で「虐殺ルート」「人類種の天敵ルート」と呼ばれるシナリオは終了 中途半端な終わりに見えるかもしれないが、「この後~」のナレーションが言われた後、 エンディングムービー無しにスタッフロールへ直行。本当にこれだけで終る それとORCAルートのエンディングだが、重要なところが無い気がするのでそこのエンディングのナレーションの最後を置いておきます 今回はエンディングで、しっかりと後日談を語っていたと思う 「人類は、その数を大きく減らしながら、宇宙というフロンティアを手に入れる」 「正のエネルギー。成長と野心と、新しい戦争の時代だ」
https://w.atwiki.jp/achdh/pages/264.html
第十四話/ /第十五話*② 第十五話 執筆者:Ryo ―AD109/07/23 PM12 00― 太陽が頭を真上から照らし、街を歩く人々の額に汗が流れる、真夏の昼時。 リヴァルディのガレージの中、シーアとショーンは茹だる熱気の中で黙々と作業を続けていた。 「シーア、そっちはどうだ?」 「エネルギー供給系のバイパスは済んだ、そっちは?」 各ACの防塵処理や注油等のメンテナンスを終え、今は二人ともフィクスブラウの改造に着手していた。以前ショーンが設計したオリジナルパーツである増設ブースターを搭載させる為には、どうしても機体側を直接改造する以外に方法が無かったためである。 コア内部のエネルギー供給パイプ、配線や電子機器、センサー等に干渉させずに改造を施すのは非常に骨の折れる作業だが、ジャンク屋時代からかなりの回数の改造を繰り返してきたシーアにとってはそれほど苦労するものではなく、ショーンも同じく、今までの経験からしてみれば難しい話ではなかった。 「こっちも今バイパスまで終わったところだ。後は供給系の分岐接続装置ぐらいってトコか?」 「戦闘機動中に切り替えがうまくいくかどうかだな。まぁ心配ないとは思うが……」 そう言ったところで、ガレージ内の端末のスピーカーから呼び出しがかかった。 『ショーンとシーアはいるか? メシの時間だ』 珍しく、シェルブから名指しでの昼食の呼び出しだった。何か話があるのだろう。 作業中で手が離せないショーンが、端末に向かって声を張り上げて答える。 「おう、今から行く! シーア、先にメシにするぞ」 「了解だ」 キリのいいところで作業を中断して工具を片付け、油で汚れた手を洗ってからショーンと食堂に向かった。 食堂の扉を開けると、テーブルには既に3人分の食事が用意されており、シェルブが先に席に着いていた。3人の仕事の都合上、昼食が遅くなることが多々ある彼らが同じ時間に食堂に介するのはよくあることだ。 …彼ら以外に、人がいないという点を除けば。 「お、マイたちはどうした?」 ショーンがシェルブの右隣に着きながら、問いかける。 ショーンは『マイたちはどうしたか』と聞いたが、それも彼なりに場を和ませるつもりの言葉だったのだろうか。キッチンに料理長すらも居ないという点から考えれば、本来なら『他の人はどうしたのか』と聞くのが普通だろう。 「操舵室だ。イリヤが艦のシステムを覚えたいと言ったものでな」 サンドゲイルのメンバーでレイヴンなのは、自分とマイ、シルヴィア、そしてシェルブだけだ。 しかし、シルヴィアは無人機以外への対処ができないため、実質的な戦力は3人のみになる。 当然、戦闘になればそれ以外のクルーはリヴァルディにいることになる。 万が一の事を考えれば、艦の状態を把握できる人間は多い方がいい。 「それで、シルヴィアもマイ達と一緒か?」 「ああ、そうだ」 シェルブに話しかけながら、シーアもシェルブの左隣の席に着き、さっそく目の前のスープを口に運んだ。 「このメンツってぇことは、表立っては話しにくい事なんだろ? このコロニーの件か…イリヤの件か」 「ああ、両方だが…重要なのは後者の話だ」 この場にいるのがこの3人のみであるところから、大体の予想はできていた。 今更何を話すことがあるのかと疑問にも思ったが、そのままシェルブが口を開くのを待った。 「…彼女を拾ってからというもの、俺たちの行動はかなり制限されるようになった。 これについてどう思う?」 シェルブの問いに、ショーンが答える。 「何言ってる、敵が攻めてくる程度の事、今までにもよくあったことじゃねぇか。 少しくらい数が増えたところで変わりはないだろ、整備士も増えたしよ。 なぁ、シーア?」 しかしその見解に対して、自らの考えは若干異なっていた。 「…相手が今までとは違うんじゃないか? 企業の部隊が、よくある独立武装勢力の一派をわざわざ直接狙ってくるような事、あまりないだろう。 それにオレがここにいることで、他にも余計な虫が寄ってくるようになった」 確かに、サンドゲイルは独立武装勢力の中でもかなりの有名株だ。それを狙う盗賊もいるし、名を上げようと挑戦してくるレイヴンも多い。 だが、グレイブメイカーや怪しい研究機関の類の連中が襲ってくるのは、間違いなく自分が原因だ。 「確かに、襲撃される回数は増えている。 だが、シーアを追っている者の襲撃は少なく、イリヤを追っているのも、彼女のことを知っている一部のみだ。 むしろ戦力が増した分、作戦の幅は拡がった。襲撃者を倒して懸賞金が入る可能性もある。特に問題ではない」 「となると…実際の行動範囲が狭まってる、ってぇことか?」 ショーンの発言に、シェルブが首を縦に振る。 確かに、彼女の存在がどこから漏れるかわからない。もちろん自分の存在についても同じだ。 それらを全て隠すことを考えるなら、コロニーでの補給どころか、通信回線すら怪しくなってくる。 依頼を受けるにも、慎重にならざるを得ない。 「それだけではない。シーアの言った通り、企業の部隊が直接狙ってきたという事が一番まずい。 機密事項であるということが幸いして、まだ少数の部隊でしか襲撃されていないがな。 だが、企業の大部隊がやってきたら、どうなる?」 その結末は容易に想像できる。恐らく、誰一人として無事では済まないだろう。 仮にその場をやり過ごすことができたとしても、戦力を集中してきた時点で確実に粛清対象となっているはずだ。 数日か、数週間か、それとも数ヶ月か。 どちらにせよ逃げ切ることは不可能。捕まるのは時間の問題になる。 「向こうには監視衛星や、各地にあらゆる情報網がある。 こちらの位置はわかりきってるだろうな。 いつやられてもおかしくねぇ」 ショーンの言う通り、企業の情報網は異常とも言えるほど広い。 そもそも、実質的に世界を操ることすらできる力を持っている組織を相手に、一介の武装勢力ごときが対抗できるわけがないのだ。 「どちらにせよ、俺達は前にも増して企業…特にミラージュ、そしてその他の組織による厳しい監視の下にあると考えていい。早急に策を講じる必要がある」 「それで、イリヤをどうするかという話か。 最悪の場合は当然、連中におとなしく引き渡すことか。 しかし、それでミラージュの連中の気が済むとは思えないな。 今すぐにでもこっちから差し出すくらいのことをする必要がある」 冷酷な話だが、全員が死んでまでイリヤを守るわけにはいかない。 マイがどう言うかわからないが、少なくとも自分を含むこの場にいる者は同じ意見だろう。 「そこで、だ。 先程、知人と話をつけてきた。 しばらくイリヤを預ける」 …………預ける? 「おいおい、一体何処の誰に預けるんだ? アテでもあるのか?」 「なければこんな話はしないさ。 俺の古い友人だ」 一体、何をすればそのようなパイプがいくつもできるのだろうか。 そもそも、レイヴンであるという時点で一般市民に好ましく思われることは少ないし、同業者は互いに警戒している場合が多く、基本的に馴れ合いもない。 師匠と弟子の関係ですら対立することがあるということを考えれば、やはりシェルブの顔の広さ、器の大きさは特異なものだろう。 そんな疑問を抱きながら、シェルブに問いかける。 「それで……一体誰なんだ? 信用できる相手なのか?」 「問題ないはずだ、独立武装勢力どうしの公正な取引だからな」 「……取引?」 新たな疑問に思案顔を浮かべたのを察してか、シェルブが続きを話し出した。 「相手は遺失技術文化社団こと、ターミナル・スフィアの代表・ノウラだ。彼女とはかれこれ長い間柄でな。今回の件について相談に乗ってもらった結果、預けることになったわけだ」 そのスケールの大きさは、自分の予想を遥かに超えていた。 まさかここまで簡単に有名勢力のトップと連絡が取り合えるとは、全く考えてもいなかった。それも、以前に自分が予想していた相手と。 「んで、彼女にイリヤを預けて、それからどうすんだ?」 「何もしないさ」 …何も、しない? 「おいおいシェルブ、そりゃ一体どういう意味だ?」 「言った通りだ。俺達は何もしない。ノウラにイリヤを預ける。それだけだ」 「いくらなんでも危険じゃないか?イリヤが無事でいられるってぇ保障はあるのかぁ?」 シェルブは落ち着き払ったままだが、ノウラという個人の事を知らない自分とショーンからしてみれば、いきなりそこまで信用することはできない。 最も、シェルブがこう言い出すことができるという点から考えれば、信用できると判断できなくもないが。 だがそれでも、気になる点は多い。 「待ってくれシェルブ、仮にイリヤをノウラに預けたとして、オレ達はどうなる?ミラージュはまだ此方に生体CPUがあると踏んで行動してくるだろう、それに関しては何か対策はあるのか?」 「ああ、それについて詳しく言っていなかったな。確かに、我々はイリヤをノウラに預ける以外、何もしない。だが、これは取引なんだ」 確かに、先程も取引であると言っていた。だが、その具体的な内容がまだ見えていない。 「それはつまり、イリヤを預かることで向こうに何らかのメリットがあるということか?」 「ああ。相手は遺失技術文化社団、その業務は無論、過去の技術の研究が含まれる……よって、稀少である生体CPUのことを是非調べたいそうだ。その見返りとして、取引相手であるミラージュに『サンドゲイルに手を出すな』と交渉してくれる、というわけだ」 ようやく、取引先の意図が掴めた。つまりは情報の売買だ。 ノウラはターミナル・スフィアの業務内容として、イリヤのデータを欲しがっている。そして自分達はイリヤの安全を確保しつつミラージュの追撃から逃れたい。ならば確かに、この取引は一つの手段として有効だ。 「なんでぇ、ならさっさと預けちまった方がいいじゃねぇか」 「そうしたいのは山々なんだが……問題がある」 途端、シェルブの表情が翳る。単純な問題ではないということが一目でわかった。 「……それで、問題というのは?」 「まず一つ。この取引はまだ、此方の支払いが不十分だ」 不十分、ということはつまり…… 「おいおい、向こうはまだ何か要求してくるってのか?」 「そういうことだ。まぁ今すぐにというわけではないが、いずれはツケを払う必要が出てくる」 つまり、自分達の行動にまた新たな制約が生まれる可能性がある、ということだろう。 此方はその制約を減らそうとしているのに、それが増えては本末転倒だ。確かに何かしらの解決策を講じる必要がある。 「二つ目。現在駐留しているこの街からの依頼がまだ未完遂である」 「だがなぁ、完全な復興までには相当な時間がかかるぞ? 仮に防衛部隊の装備とシステムを整えても、肝心の人が足りねぇ。 そもそも補給線確立の目処が立ってねぇぞ?」 ショーンの言う通り、街の防衛には戦力が要る。だが、それを構成する人員がいなくては話にならない。それを支える補給線も重要だが、そもそも普通に生活していくことすら危うい状態であるこの街に、それを望むのは難しい。従ってこの街からの依頼を遂行するならば、まだまだかなりの時間を要することになる。 「確かに、難しい話だな」 「いや、問題はまだもう一つある」 間を空けて、再びシェルブが口を開いた。 「三つ目だが……つい先程知ったのだが、取引先の所在地であるエデンⅣで、非常事態宣言が出されたそうだ」 エデンⅣは数少ない完全循環型コロニー都市の一つだ。エデン型コロニーには古代兵器の攻撃を一切通さない、強固かつ巨大な外周隔壁を持っているのが大きな共通点である。 その安全性は世界最高峰を誇り、ゆえに人類の『楽園』の名を冠している。 そのエデンⅣでの非常事態宣言とは、一体何が起きたというのだろうか。 世界一の安全を謳っている以上、その地における騒乱はあってはならない。あっては許されないのだ。 「それで、あちらさんも取引どころじゃなかった、ってか? そりゃ相当なモンだな」 ショーンの言う通り、ターミナル・スフィアという組織として外に出れなくなるほどの規模で騒乱が起こっているのだとすれば、かなり危険な事態だ。おそらく、エデンⅣの全戦力が導入されているだろう。 「シェルブ、今の話を聞いて気が変わった。イリヤを預けるのは反対だ。絶対の安全地帯であるエデンで騒ぎが起きているんだ、そんな危険な場所に預けるわけにはいかないだろう」 「落ち着け。判断するにはまだ早い、状況を整理してからだ。場所を移そう」 シェルブはそう言って、食べ終えた昼食の食器をキッチンに片付けると、料理長にコールをかけた。 「続きは俺の部屋でしよう。作戦会議だ」 「……作戦会議?」 疑問の言葉を聞いて、シェルブが軽く此方を振り返る。 「久しぶりの大仕事になる。覚悟しておけよ?」 ―PM12 00― 目を開けると、白い天井が見えた。 ここは天国ではないか、と自分の生死を疑ったが、飛び起きようとして頭とわき腹に強烈な痛みを感じ、身を起こすのを断念する。どうやら自分はまだ生きているようだ。 自分が生きていることがわかったので、次に自分が先程まで何をしていたのかを思い出す。 自分はミラージュの依頼で、古代遺跡「アスセナ」の制圧任務中だったはずだ。古代兵器の撃破数に応じて追加報酬が出ると聞き、進攻した区画のパルヴァライザーを殲滅した。だが残念ながら、自分が進んだその区画には施設中枢への通路は見つからなかった。 その後だ。目の前に、黒いACが現れたのは。 「ああ、気がついたのね」 扉の開く音とともに、女性の声が聞こえた。その声には聞き覚えがある。 「……お前か、俺を助けてくれたのは」 痛む身体を無理矢理起こそうとしたが、女は男の頭を再び枕に押し付けた。 「イテッ、何すんだよ!」 「カッコつけて無理すんじゃないわよ。丸一日寝てるほどのダメージだったんだから、おとなしくしてなさい」 「一日寝てた? ……今日の日付は?」 「七月一一日よ。言ったでしょ、アスセナ制圧作戦から丸一日以上経ってるわ」 最悪だ。あの程度の任務行動中に気を失うことになるとは、まったく考えていなかった。 「それで、作戦はどうなったんだ?」 男の質問に、女は背を向けてキッチンに向かいながら答える。 「中枢施設は無事に制圧、残ってたパルヴァライザーも殲滅完了。任務完了よ」 パルヴァライザーはまだ残っていた、それはつまり。 「つーことは……せっかくの稼ぎ所を逃したってのかよ俺は! 畜生!!」 悔しさのあまりに痛みも忘れたのか、ようやく身を起こして拳をベッドに叩きつけた。 ……と思ったが、自分が寝ていたのはベッドではなく、白いソファーだった。 だが、そんなことを気にしている場合ではない。 女から携帯端末を引ったくり、すぐさま自分の口座の残額を確認する。 そしてさらに、男の顔は悲痛なものになった。 「おい、冗談だろ……なんでたったこれだけしか入金されてないんだ、ふざけるなよミラージュ!」 連絡を取るため、すぐに端末を操作して依頼受諾時のアドレスを選択する。 そのままコールボタンを押そうとすると、女が男の手を止めた。 「やめときなさい。あんた、本当ならあのまま消されてたのよ?」 「うるせぇ、報酬金が入らなきゃ意味が無いだろ! たったこれだけの金で満足できるか!」 「お金、お金ってうるさいわねアンタ。言わせてもらうけど、あたしがミラージュに生存報告入れてなかったら、死んだことにされて一銭も報酬はなかったのよ?」 「お前が? じゃあなんだ、俺はミラージュにあのまま切り捨てられる予定だったってことかよ!?」 考えてみれば、今自分が置かれている状況そのものが不自然だった。 まず、ここは病室でもなければ病院でもなく、それどころか自分はソファーで寝かされていた。そして目の前には自分を助けたレイヴンがいる。 部屋には生活感があり、テレビもあればキッチンもあり、外の町並みが見渡せる大きな窓がある。 ……どこをどう見ても、一般住宅のリビングだ。 「……ひょっとして、ここはお前の家か?」 「そうよ。っていうかアンタ、あたしに向かって『お前』呼ばわりはないでしょう? わざわざ色々と面倒見てやってるのに、そもそも年上に向かって失礼よ」 つまり、自分は他にも目の前の女に迷惑をかけている、ということか。 「……自分から年増女だと告白するとは、難儀だな」 「今すぐそこの窓から放り出してやろうかしら、ゼオ?」 ずばり自分のレイヴンネームを言われて少し焦ったが、気を失っている間に調べることはいくらでもできる。そう考えれば、特に驚くようなことでもない。 「落ち着けよ、冗談だっての。まぁ俺の名前を知ってるのはいいけどな、そっちの名前は教えてくれないのかよ?」 「あら、そういうの気にしないのかと思ったわ。私の名前はマユ・キリシマ。 で、何か言うことは?」 「特にない」 「最低ねアンタ。礼のひとつも言えないの?」 自分はこのマユとかいう女に助けを求めた覚えはない。事実助けられてはいるが、借りになるということだけは認めたくない。だから礼は言わない。そう決めていた。 「とりあえず、ここまでアンタを運ぶのにかかった料金は請求するから」 ……それは聞き捨てならない、由々しき事態だ。 「ちょっと待て、なんでいきなりそういう話になる!? たかが俺を運ぶだけで金がかかるわけがないだろ、ビタ一文払わないぞ!」 マユが呆れた顔でため息をつき、再び口を開いた。 「あのねぇ、アンタまだ寝ボケてるんじゃないの? アンタは作戦行動中にブラックバロンにやられて、そのまま気絶したんでしょうが。ACはどうするのよ、ACは」 マユに言われて、ゼオはようやく一番重要な事を思い出した。おそらく金と命の次に、いや、それと同等の価値のあるものだ。 「そうだ、シックザール……おい、今アイツはどこにあるんだ、早く教えろ!」 ゼオが焦燥感に駆られてマユに詰め寄った。額に脂汗が滲んでいる。 その顔からは先刻までの余裕のある、どこか生意気な様子は全く感じられなかった。 あまりの変わりように若干引きながら、マユが問いかける。 「ちょ、そんないきなり必死になられても困るんだけど……まぁ、自分のACが心配なのはわかるけど」 「当たり前だ! ACだぞ、いったいいくらの金がかかると思ってる! 修理費はかかるし弾薬火も馬鹿にならねぇし……」 ゼオがぶつぶつと何かを言いながら頭を抱えてしゃがみこむ。あまりにも惨めなその姿を見て、マユは再びため息をついた。 「あーはいはい、わかったから顔を上げなさいよ。 貸しドックに預けてるから、ついて来て」 「貸しドック!? おいおい、そんな所借りたら料金が……」 「アンタが自分で払うのよ。アタシが請求するのはACの移送費と、そこのレンタル料だけよ。余分に取ろうなんて考えてないから、必要経費と思って諦めなさい」 耐え切れず、ゼオの両膝が地についた。 ―AD109/07/11 PM12:20― マユに連れてこられたACドックには、戦闘で受けたダメージでボロボロになった愛機・シックザールが、やられたときの損傷状態のまま置かれていた。 右腕部破損、コア損傷。特に酷いのはその二つだが、細かい点を上げていくとキリがない。 コアの損傷はドックの修理サービスを頼めば直るだろうが、右腕の破損はどうしようもない。 メーカーから直接買うか、ジャンク屋、他の整備業者に在庫の問い合わせをするか。まともに動かせるようにするには、それぐらいしか手段がない。 どの手段を取っても、相応の額を支払う必要がある。その上、パーツが届くまでにどれほど時間がかかるかもわからないのだ。 しかも、右腕の武器もない。これでは任務を受けるなど到底無理な話だ。 だが、自分が拠点としているコロニー『トラキア』へ戻ることができれば、パーツの手配も武装のストックもあるのでなんとかなる。 「そうだ、そういやここは何処だ? あんたの家から出て三分程度でここに着いたもんだから、どんな街なのかもわからないぞ、俺」 「ああ、まだ言ってなかった? ここはエデンⅣよ」 ……何かの間違いではないだろうか。 「ちょっと待て。エデンⅣって、三大企業やら、グローバルコーテックスの関係者である富裕層と、その関係者ぐらいじゃないと住めないという、あのエデン4か?」 「そうよ。まぁ、その偏見はちょっと間違ってるけど」 ……冗談も休み休み言って欲しい。 まさか自分がエデンⅣに来るとは思ってもいなかった。任務で来ているわけではなく、しかもちゃっかり宿泊しているのだ。 「……おい、そこのおっさん。 ここのレンタル料っていくらだ?」 一目で整備士とわかる、この貸しドックのエンブレムの付いた作業着とキャップを被った中年の男が、若干不機嫌そうに振り向いて答える。 「ここのドックは半日一万コームだよ」 相場を遥かに越えたその価格に、ゼオは悪態をつかずにはいられなかった。 「半日で一万!? ふざけんなよ、頭湧いてんじゃねぇのかここのドックは! 一日の相場に近い金を半日で取るってのはどういう事だよオイ! 他所とやってることは変わらないだろ、それどころか俺の機体は全く整備されてない状態だろうが! それなのになんで10,000コームも出さなきゃならない! つか、もっと安いところはなかったのかよ!」 やり場のない怒りの矛先がマユに向かう。 が、流石にマユも黙ってはいなかった。 「そんなことアタシに言われてもどうしようもないわよ! 大体、ここはエデンでも結構安い場所よ! それに、ここのドックはアタシが契約して借りてる所でそれなりに面識があるから、いきなりだったけど責任者に頼んで、アンタの機体を空いてる場所に置かせてもらったの! それだけでも感謝しなさいよね!!」 そう細かい事情を言われると、これ以上文句を言うわけにもいかなかった。何より、マユには自分が思っていた以上にいろいろと気を使わせてしまっていた。これ以上文句を言うのは、さすがに忍びない。 「……悪かったな、面倒かけて」 「ホントよ、この貸しはきっちり返してもらうからね」 余計な事を言うんじゃなかった、とマユに聞こえないように呟きながら、シックザールのコックピット内を覗き込んだ。 ドックに来る前にマユにも確認したが、自分の携帯端末がパイロットスーツのツールポケットの中に入っていなかったのだ。落としたとすれば、コクピット内しか考えられない。 狭いコクピットの中で落としたとすれば、シートの下か、フットペダルの隙間に引っかかっているかのどちらかぐらいだ。 どちらも目で直接確認するのは姿勢的に少々つらいところだが、幸いなことにシート下に手を少し伸ばした時点で端末が指に触れた。 これでトラキアにいる顔見知りの業者に連絡できる。そう思って端末の電源を入れてみた。 入れてみたのだが……反応しない。 何度繰り返しても、起動する気配はない。その結果から導き出される結論は一つにして単純明解、当然至極。 「ぶっ壊れていやがる……」 最悪だ、余計な出費が増えてしまった。後で修理に出すしかない。 これでメモリーが飛んでいたら更に面倒だが、バックアップは取ってある。自宅のPCと、愛機のメインメモリーの中に。 ジェネレータは稼働させずに、バッテリーでACの基礎管制システムだけを起動させる。 機体の各部状態チェック、損害報告、推奨される対処法の報告。 一連の作業が自動実行されてから、ようやくシステムが操作モードに移行し、ゼオはすぐさまシステムコンソールを引っ張り出してキーを打ち込んでいく。 各種データ閲覧、メインメモリー内より外部連絡リストを呼び出し。アクセス……不可能。 原因・メモリーの物理破損 モーションアシスト等の戦闘用データはバックアップ済み ディスプレイに冷徹な文章が表示された後、バックアップデータの入ったディスクがドライブから出てきた。 それ以外、残っているデータはない。すべて破損している。 頭が痛い。過去最高に痛い。なぜ自分がこれほどまでに酷い目に会う必要があるのか、半日ほど誰かに問いただしたい。 「チクショウ……なんだって俺がこんな目に……」 泣き崩れたいが、そんなことをしていても誰も助けてはくれない。なんとかしなくては。 だが、その前にすべきことがある。 「なぁマユさんよ、一つ話があるんだが」 「何よ?」 プライドをかなぐり捨て、涙を堪え、歯を食いしばりながら口にする。 「…………俺をあと一週間ほど泊めて下さい…………」 ―AD109/07/23 PM13 40― シェルブの自室に着くと、自分とショーンにソファーを勧めてからシェルブはデスクのモニター前の椅子に腰掛け、PCを起動した。 たちまち、壁に取り付けられた五つのモニターが点灯し、先程の会話の内容を含めた、多くの情報が映し出された。 「これが、襲撃時のエデンⅣの状況だ」 表示されているデータのうち、航空写真を含めたエデンⅣの全体データが、中央のモニターに拡大表示された。 だが注視するまでもなく、その状況は一瞬で把握できた。 エデンの象徴である、その頑強な外周隔壁の上部に大きな穴が開いていた。ACなら二機は悠々と入れるだろう大きさだ。 被害はそれだけに留まらない。 商業区画、興行区画の他、自然森林区画にまで火の手が上がっている。 幹線道路の多くは関係者を除いて閉鎖、または崩落のため交通不可。リニアの線路も一部が断線、崩壊のため運転見合わせ。 その他公共交通機関も多くが運休。そしてライフラインは安全のため一部区画においては全面ストップ。 その他被害報告もキリがない。おそらく、まだ報告がない場所も多くあるだろう。 「それで、これだけの被害が出てるエデンⅣにどうしてイリヤを預ける気になるのか、教えてもらいたいんだが」 「おおう、今日は随分と熱い台詞が出てくるじゃねぇかシーア。一体どうした?」 ショーンから冷やかしが入るが、特に気にしていなかったし、別段、熱くなっているわけでもない。あるとすれば、一つだけ。 「……別に、何もないさ。ただ、仲間をわざわざ危険に晒す事には反対する。それだけだ」 ショーンが横で「なんでこんなヤツばかり集まるかねぇ……」などとボヤくが、シェルブはモニターの拡大状態を元に戻してから、こちらを向く。 「確かに、普段と比べるまでもなく、中は酷い有様だろう。だが、だからと言ってここは危険である、と判断するべきか? それは正しい結論なのか? 冷静に考えてみろ」 そうは言われても、これだけの被害が出ている以上、危険であることに変わりはない。まず外周隔壁を破られたというのが大きな誤算である。防衛部隊としてもおそらく、天井部から敵が侵入してくることは想定していなかっただろう。 それに敵勢力の所属、数、種類を考えれば…… 「そうか、しまった……」 「おう、何がだ?」 気付くのが遅すぎた。エデンⅣが襲撃されて被害を被ったのは十分わかっているが、どんな敵なのかがわかっていない。どういった部隊にやられたのか、それを考慮するのを忘れていた。 「シェルブ、敵勢力の詳細情報は?」 「気付いたか。結果に気を取られすぎたな、シーア。お前の悪いクセだ。常に結果を求めるのはいいことだが、そこに行き着く過程を知ることも必要だ」 そう言いながら、シェルブが通信回線を開く。しばらくコール音が鳴った後、映像通信に応答した相手は、自分がよく見知った相手だった。 「キース!? なんでお前が?」 「よう整備士、一週間ぶりだな。元気してたか、俺はこの前の報酬でいい酒を楽しめてるぜぇ、イヒヒ。 あとはいい女でもいれば完璧なんだがなぁ」 ウイスキーを片手に上機嫌なキースだが、彼は酒に酔うことがない。自分で量をわきまえているのか、ザルなのかはわからないが。 「キース、依頼した情報は揃ったか?」 「もちろんだぜ、シェルブのダンナ。今送ったところですよ」 右端のモニターにメール着信のアイコンが点滅したのを確認して、すぐにデータを開く。中には数種の画像データと映像データ、そして補足情報のテキストファイルがある。 「簡単に説明すると、大量のパルヴァライザー群がエデンⅣに侵入してきたことにより、ここまで大きな被害が出ちまったようだ。数は前のアスセナ制圧戦を遥かに越えてるな、対人用サイズの小型まで確認できた。 俺からしてみればよくやったと思うぜ、ここの連中。指令はしっかり出ていたし、所属が違うはずのレイヴンが協力してここまで統率の取れた防衛戦が展開できるとは、正直思っちゃいなかった」 大量のパルヴァライザーが一般市民が多くいるコロニーに侵入すれば、当然ながらタダでは済まない。そのまま放棄されたコロニーや、生存者が確認できなかったコロニーもあるという話だ。確かに、そういった点から考えれば、エデンⅣはよくここまでの被害に抑え込んだ、とも言えるだろう。 「そうか。他に何か気になる点は?」 「まだありますぜダンナ。まず、おそらくだが敵勢力に所属不明の部隊がいる。詳細はわかってないしエデンⅣも公表してないんで何とも言えないが、俺の勘じゃ間違いなくいたはずだ。なんせ旧世代兵器の攻撃から守るために作られた外周隔壁だからな。まず確実に隔壁の破壊を手伝った奴がいる。そうだろ、整備士のお二人さんよぉ?」 いきなりキースから話を振られたが、ショーンは普段とは違い、データを見てから落ち着いて答えた。 「ああ、確かにそうだな。あの隔壁の技術はケチなことに門外不出になってんだが、まぁ中からイジくればなんとかなるかもな」 ショーンの言う通り、エデン系コロニーの隔壁技術は相当なもので、建造した統一政府はその技術を一切公表していない。無論、解析しようと試みた者も多いが、その多くが失敗に終わったか、痛い目を見ている。 技術を占有することで組織を少しでも優位であるように見せかけたい、という統一政府の情けない一面は、こんなところにも現れているということだ。 「爆薬で簡単に破壊できるようなモノじゃないのは確かだ。隔壁に詳しい人物が、あの部位の隔壁に細工して、性能を低下させたんだろう。エデンⅣ内部に犯人が潜伏していた可能性がある」 「なるほど、潜伏か。キース、可能か?」 シェルブのいきなりの質問に、画面の向こうのキースも含めた三人が驚いた。 「あ、いや、まぁ……可能と言えば可能、だろうな」 「おいおい、二人とも何を言ってるんだ!? まさかシェルブ、お前誰かをエデンⅣに向かわせるつもりか?」 「落ち着けお前ら、まだ決まったわけじゃない」 シェルブがモニターに並んだ情報を整理しながら、二人を宥める。 「キース、他に情報はあるか?」 「あ、ああ、最後に一つだけな。信憑性は保障できねぇが……赤いACがいた、って話がある」 赤いAC。その代名詞とも言える機体が、真っ先に頭に思い浮かぶ。 「まさか、ナインボールか……?」 「どちらにせよ、統一政府が関連している可能性があるな。今回の件が一旦の鎮火を迎えたとしても、警戒は必要か……」 シェルブが考えをまとめ、話を切り出す。 「では、今回の作戦について説明する」 モニターに作戦内容についての情報が表示される。キースにも送られているようだ。 「今回の作戦は二つの任務を同時遂行で行う。現在係留しているコロニー【ソグラト】の補給線の確立と、エデンⅣへのイリヤ護送・護衛任務だ」 同時遂行の意味するところは、つまり。 「戦力を分けるのか?」 「そういうことだ、他に策はない。本来ならノウラの方が迎えをよこすつもりだったのだが、襲撃の影響でそれどころではなくなっている。それにキースの連絡でわかった通り、かなりの被害だ。火は燃え移る、預けるだけでは危険だろう。少しの間、向こうでも護衛を続けてもらいたい」 「それはいいが、補給線の確立は具体的には何をするんだ?」 その質問を待っていた、と言わんばかりにシェルブが回線を開く。 「此方アハト、今回の依頼内容の詳細を説明する」 同時にシェルブがデータを展開し、モニターに表示する。 「コロニーで情報を集めた結果、おそらく敵は3つの組織による襲撃だと思われる。理由はもちろん、襲撃のパターン、被害状況が3種に分類することができたからだ」 過去の襲撃パターンがモニターに表示される。狙撃と、強奪と、完全な破壊工作。大まかにこの3種に分けられるようだ。 「さらに、これらの勢力は【ソグラト】近隣のコロニーの部隊であることが疑われている。どうやら、どこも同じように物資に困っており、奪い合いへと発展したようだ」 モニターにコロニーの位置と、エデンⅣの位置が表示される。どこもエデンⅣからは若干離れている上、周辺で他に救援物資を送る余裕のあるコロニーはなさそうだ。 「調査の結果、そのコロニーの武装勢力のうちの一つが、今は使われていない昔の補給中継基地を根城にしていることが判明した。位置情報もわかっている」 モニターのマップに赤い点が点滅する。丁度、ソグラトからエデンⅣへ行く途中に位置している。 「従って今回の依頼内容は、この基地を制圧、もしくは何らかの手段で無効化すること。それと同時に、今回の補給部隊を護衛し、無事に補給を終えること、ということだ」 意外と簡単な話だ。それなら自分にも考えがある。 「……シェルブ、俺がこの基地を制圧する。ついでにそのままエデンⅣまで向かおう」 「……いいのか?」 おそらく、二重、三重の意味を込めて言っているのだろう。 それでも、自分が行く。それがベストなはずだ。 「ツケの分もチャラにしてくるさ。オレとフィクスブラウの情報を提供すると言えば、あいつらも納得するだろう?」 シェルブが少し思案してから、顔を上げて答えた。 「……よし。戦闘要員を全員ブリーフィングルームに集めろ。それとマイにはイリヤの事を言うなよ、シルヴィにもだ。準備しろ」 かくして、作戦は始まる。 作戦決行は深夜0時。 これまでに何度も繰り返してきた、自分の十八番。 夜襲だ。 ―AD109/07/23 PM14 10― マイがリヴァルディ艦内のブリーフィングルームに着いた時には、既に戦闘要員が全員集合していた。部屋の奥の壁に備え付けられた大型モニターの横には、既にシェルブとエイミが座って待機していた。 「全員揃ったな。では、ブリーフィングを始める」 シェルブの合図に合わせて、エイミがモニターに作戦概要のデータを映し出す。 「今回の作戦目的は、現在繋留中のコロニー【ソグラト】の補給線を確立することだ。しかし知っての通り、補給線はそのまま生命線と言っても過言ではない。激しい襲撃が予想される」 シェルブが合図を出し、エイミがモニターにコロニー周辺の地図と地形情報を表示させた。 「従って今回の任務は、補給部隊の護衛を行うと同時に、敵対組織を撃退する。敵さえいなくなれば、しばらくは補給に支障が出ることもないはずだ」 モニターに映るコロニーの周辺地図に、黄色の点が3つ表示される。 「アハトとキースからの情報によると、ソグラト近隣の二つのコロニーも、同様に物資の不足に悩んでいるらしい。経済状況もあまり芳しくないらしく、結果的にエデンⅣからの補給物資の奪い合いとなったようだ。よって、ソグラトを含めた敵対関係にあるコロニーを警戒点、ポイント・イエロー1、2とする。位置をしっかり把握しておけ」 「データは既に全員の端末に送信済みですが、一度目を通しておいて下さい」 マイが自分の端末を確認すると、エイミの言った通り、既に今回の作戦概要のデータが送信されていた。ACの方にも送信済みだろう。 丁度データが送信されていることを確認したところで、シェルブが再び口を開いた。 「本作戦では各ポイント・イエローに注意しながら、補給部隊をエデンⅣからの物資配達部隊がいる中継地点まで護衛する……が、一つ問題がある」 マイが再び正面の大型モニターを見ると、ソグラトからエデンⅣへの最短ルート上に一箇所、赤い点が表示されていた。 「本来ならば、このポイント・レッドはエデンⅣとの第二中継基地として機能しているはずだった。だが現在、ここは補給部隊を襲撃した武装組織の一つの拠点となっている。よってここを制圧、無効化する。担当はシーアだ」 シェルブが淡々と続けようとするが、最後の言葉だけは聞き捨てならなかった。 「ちょっと待ってくれよ親方、それってシーア一人だけってことなのか? いくらなんでもシーア一人って無茶だろ、俺も一緒に……」 「いいや、お前は来るな」 シーアが席から立ち上がり、マイの前に立ち塞がった。 「お前、この類の任務の経験が何度ある? やってたことがあるとしても、せいぜい両手で数えられる程度だろう? そんなヤツが付いてきても足手まといだ」 突き放すような台詞だが、それでもマイは食い下がらない。 「基地一つを一人制圧するって方が、よっぽど無理があると思うけどな。もう一人くらいは人が要るんじゃないか?」 「それならお前じゃなく、アハトが適任だろうな。可能な限り『破壊』するのではなく、できれば施設を『奪還』して情報を得たい、というのが依頼者の本音だろう。それを考えると、いきなりACで突っ込むワケにもいかない。基地内で歩兵戦になったとき、お前はどうする?」 シーアの言うとおり、マイに一人で丸々一つの基地を制圧する技術はない。射撃の腕もシーアに比べれば劣るし、格闘戦になったとしても、アハトのような突出した技術も能力もない。 「確かにお前にはオレよりも格闘のセンスがあるだろうし、銃器の扱いもそれなりにできるだろう。バランスが取れているのは悪いことじゃないが、それは『質のいい一般兵』のレベルでしかない。経験豊富というなら話は別だが、お前はそうじゃないだろう?」 悔しいが、シーアは何も間違っていない。アハトやシーアと比べると、基地制圧任務において自分が有利な面はあまりないだろう。 「けど、それでも一人でやるのは危険じゃないか? シーアの言う通り、アハトも行くべきだろ」 「そういうわけにもいかないな」 再びマイの意見を否定したのはシェルブだった。 「この基地の制圧だけが任務ではない、補給部隊の護衛を同時進行で行う必要がある。言っただろう、ポイント・イエローにも警戒しろと。敵対組織が出てくる可能性もある、必要以上に人手を割く余裕はない」 「じゃあどうするんだよ、護衛にしたって各ポイントに警戒しながらなんだろ? ポイント・イエローは三箇所、シーアが一人で制圧に行くとしたら、こっちの残りは俺とアハトぐらいじゃないか、明らかに人手が足りてないぜ!?」 「もちろんその事も想定済みだ。エイミ、繋いでくれ」 「了解。外部回線とアクセス、映像繋ぎます」 モニターに一瞬だけノイズが走った後、映し出されたのはマイのよく知る同僚だった。 「ゼオ!?」 『んな驚く程のことでもないだろ、マイ? こっちもそっちも事情があるんだっての』 「まぁ確かに、こっちの人手が足りてないから丁度いいのかも知れないけど……っていうか、お前は今どこにいるんだ? 作戦に参加するってことは、近くにいるんだろ?」 当然、すぐに返答がくると思われた何気ない問いかけに一瞬、ゼオの顔が強張った。 『あー、いや、まぁ……そういうことになるな。 一応エデンⅣにいるぜ』 「なんだ、それならシーアの基地制圧に協力できるじゃないか」 『え? あ~、いや、それがだな……残念ながらそれは無理なんだ』 事情を言いにくいのか、口ごもるばかりではっきりとしないゼオに代わり、シェルブが話し始める。 「前回の戦闘時に機体をやられたらしいな。コアの損傷と、右腕部がほぼ全損だったか?」 ゼオが渋い顔をしながら、肩を落としながら頷く。 →Next… ② コメントフォーム 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/wiki9_vipac/pages/184.html
火星。 新たなる人類の大地。 そこは争乱の地だった… 「ハウンド1、起こせ!」 二人組みの片方が端末を操作し、もう一人がその様子を確認する。 一機の青いAC。ジオ・マトリクス社から回された実験機の一つ。 実験機で実戦を行い、その戦闘データと引き換えに報酬を得る。 地球政府お抱えの部隊とは言え、所詮はレイヴンに過ぎない。このような『お仕事』はいくらでもあった。 「隊長…」 小隊長機のACに、隊中最も実戦経験の薄い者から弱々しい通信が入る。 「何だ?この機体の事なら心配ない。カタログスペックを見る限りじゃ中々良さそうだ」 眼前のパネルを操作しつつ、隊長が答えた。 ジオ社の試作パーツを贅沢に使用したAC。その中でも目を引くのは、右腕部のレーザーライフル。 「ハハッ、始めての大気圏降下作戦に緊張してるのか?」 「心配するな。降下カプセルのパージはオートで行われる。 その後は、いつもと同じだ。訓練通りにやればいい」 「り、了解しました」 「作戦開始だ。ハウンド小隊、降下を開始せよ」 アナウンスと共に、船体から三つの缶詰が落ちて行く。 大気圏を突破し、地表に接近した所で缶詰が二つに割れる。 モニターにミッションパネルが表示される。 「エムロードの飼い犬か…犬は、お互い様か」 照準に捉えた敵機へ、先制のミサイルを放つ。 「敵、ミサイル来ます!」 「迎撃準備!アンチミサイルを過信するなよ!」 対ミサイル迎撃用のアンチミサイルを作動させつつ、迎撃の姿勢を取る。 接近する敵部隊。その中でも最も動きの悪いACへと狙いを定め、マシンガンを乱射する。 右腕関節部とコアに降り注ぐ弾丸の雨は、早くも一機を沈黙させた。 「な…速い!?」 崩れ落ちる僚機へ気をそらした瞬間を、敵ACは見逃さない。 瞬時に左腕部のエネルギーシールドを展開。 Y字型の中心部から展開された光の盾は、敵のブレードを弾くように受け流す。 (一発目で修正、二発目で仕留める…!) 素早く後退し、レーザーライフルの照準を合わせ、トリガーを引く。 独特の形状をした砲身から、青い光弾が射出される。 「なんて、いりょ…」 反撃姿勢を取った瞬間、右腕部、そしてコアへと叩き込まれた光弾は、いとも簡単にACを沈めた。 敵戦力は沈黙。残るは施設の破壊。 実験用に急造されたコンソールを引き出し、指定された操作を入力。 一時的にジェネレータを暴走させ、機体出力を極限まで引き出すコマンド。 本来は急速離脱などに使用されるオーバードブーストと、 機体ジェネレータの生み出すエネルギーによって稼動するE兵器を両立させる為の試作品だ。 コアの背部ハッチが展開し、弾かれるように飛ぶAC。 高速で飛行しつつ、レーザーライフルを施設へと叩き込む。 炎上する施設から、一機のACが離脱して行く。 「作戦目標クリア。ハウンド1、帰還する」 楽園とされる新天地、火星… 舞台が移ろうとも、人類の歩む道は、同じなのかもしれない。 ――赤い大地で、レイヴン達の新たな歴史が始まる―― ARMORED CORE 2
https://w.atwiki.jp/pokecharaneta/pages/11676.html
Deep Core 敵 動画 コメント 1993年にICEから発売されたAmiga用ゲーム。 敵 ジバコイルorイオルブ:名称不明(円盤型) カメックス:名称不明(ラスボス) 動画 コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/keroro00innovator/pages/5158.html
PRISISM PRISISM アーティスト illumination STARS 発売日 2021年5月19日 レーベル ランティス CDデイリー最高順位 1位(2021年5月21日) 週間最高順位 2位(2021年5月25日) 月間最高順位 8位(2021年5月) 年間最高順位 98位(2021年) 初動総合売上 10235 累計総合売上 13732 週間1位 収録内容 曲名 タイアップ 視聴 1 PRISISM THE IDOLM@STER シャイニーカラーズ キャラソン 2 スマイルシンフォニア 3 Resonance⁺ CD/総合ランキング 週 月日 CDシングル 総合シングル 順位 週/月間枚数 累計枚数 順位 週/月間枚数 累計枚数 1 5/25 1 8205 8205 2 10235 10235 2 6/1 13 1334 9539 18 1334 12185 2021年5月 7 9539 9539 8 12185 12185 3 6/8 15 688 10227 20 688 12873 4 6/15 369 10596 369 13242 5 6/22 196 10792 196 13438 6 6/29 116 10908 116 13554 7 7/6 87 10995 87 13641 2021年6月 38 1456 10995 46 1456 13641 8 7/20 91 11086 91 13732 関連CD Beat of the Night/D#HE4DSHOT/14平米にスーベニア Twinkle way
https://w.atwiki.jp/todo314/pages/118.html
Streaming Algorithms for k-core Decomposition Ahmet Erdem Saríyüce, Buğra Gedik, Gabriela Jacques-Silva, Kun-Lung Wu, Ümit V. Çatalyürek VLBD 2013 概要 k-core decompositionあるよねー 実際は、辺が挿入されたり削除されたりするから、そういう走査サポートしたいよねー 作りました 実験しました 毎回batchするより断然良い k-core decomposition K(v) vが属せるk-coreのうち最大のk 基本的に、周りに1があって、中に2があって、その内側に3があって…ってなる アルゴリズム δ(v)=deg(v) δの昇順ソート 今ポップしたvについてK(v)=δ(v) vに隣接する頂点wについて δ(w) δ(v)ならδ(w)-- ↑の操作後もδの昇順は守る 色々便利な定理 細々と定理を証明していく でっていう? 辺uvが挿入/削除された時 K(u) =K(v)の時だけK(u)は変化する uを根としてK(w)=K(u)となるwについてBFSして得られた頂点集合だけがKが変わりうる アルゴリズム Subcore アルゴリズム 愚直にKが変わりうる頂点を全部とってくる Purecore アルゴリズム ↑の頂点集合を次数とかでもっと制限する The Traversal Algorithm さらにさらに制限する 実験 データセット サイズ色々、平均次数、最大次数も色々 purecoreのサイズがどうなるかーとかも調べている 結果 max10^4倍速いといっている はい まとめ 何かすでにありそうだけどそうでもないのかな? 計算量は特に議論しないのね 調べる(?)頂点数が減ればいいのかな VLDB k-core decomposition streaming algorithm 2013-11-13 02 27 07 (Wed)
https://w.atwiki.jp/achdh/pages/151.html
②*③*④ 「……良い味だ。こういった物が無くなっては、財産の損失だな」 立ち上がった所でもう一本抜き出した紙巻煙草を口許に咥え、先端に紅点を点した。何度か紫煙を吹かして静かな時間が過ぎた後、同じく紫煙を地べたで味わっていた男が切り出した。 「──生け捕りの割には、随分と迷いのない立ち回りだったな?」 「妙な言い回しだな。何が言いたい」 片頬を地べたに付けた格好のまま、壮年の男は何らかの意図を宿した鋭い視線をこちらに上げてみせる。その相貌に姦計といえる感情はなく、ただ、此方への純粋な問いかけのようにリサには感じ取ることができた。そして正にその通り、男はその言葉を口にしてみせる。 「なに、唯の問いだよ。──どうにも君は、見慣れない種類の人間のように思えてね」 その男の言葉は、彼という人間がこれまでに渡って来た世の凄惨さそのものを反映しているようであった。 「……そうだな。護るべき者を護り通す為には、私は何事も厭わん」 「まるでそれが、往来自身に課せられた使命のように言うのだな?」 「──その通りだ。お前が今一度彼女を狙うというのなら──」 その後を言うことはしなかった。 「──私が終ぞ通る事の無かった線か」 男はリサの振る舞いの意図を理解することはできても、その全容を掴むことができないのだろう。 十年前、私は彼女の育ての親によって同じく、生み出された。彼女に与えられたものが、男の言う使命であり、リサはそれを全うするのならば、何事を犯すことも厭わない。 護るべき者──ヴァネッサに害をなす者は逃さない。それが例え、己の原始だとしても── 引き継ぎを担当する事後処理部隊の到着を待ち、連絡通路で待機していたリサはその時、搭載機能のセンサー群が捕捉した何らかの情報に気づき、それらをデジタルディスプレイにアップロードした。 ──施設情報に変動? 詳細を求めようとシステムに働きかけた時、それは起こった。 ぶつん── 視界が一瞬で暗転し、何が起こったのかを瞬時に解析した。 連絡通路の電灯が全て同時に停電し完全な暗闇に落ちた中で、リサは義眼の機能状態を通常状態から夜間戦闘支援システムへ移行。視界に濃緑色の光源が満ち、連絡通路の全容を再び映し出す。 足元に転がしていたはずの男が、システム起動までの一瞬の空白をついて立ち上がり、その姿は連絡通路の先の曲がり角へ消えようとしていた。 「くそ──」 前腕部内蔵機構から得物を再び滑り出させ、即座に追跡すべく走り出した瞬間、極めて短い断末魔と共に嵐の様な轟音が響き、視界前方を眩い火線が横断した。 走り出していた足を本能的にその場に押しとどめ、同時に停電していた連絡通路の電灯が再び明かりをともす。アリーナ施設の予備電源が起動したのだろう。 リサは連絡通路前方で起こった不意の事態とその光景を目視し、目を瞠った。瞬間火力にして数百発の銃弾による弾幕が吹きすさんだのだろう、連絡通路の壁は無残なまでに崩壊し、先ほどまで相対していた男の残骸と思しき肉片が床上に散乱していた。 (敵──何者だ……?) そう認識しセンサー群による索敵を開始する中、曲がり角の奥から重厚な金属質の足音が接近してくる。男を木端微塵に吹き飛ばした元凶がやがて角から現れ、その全貌をリサの方へ向ける。センサー群が解析を完了して詳細情報を出力し、リサは、 「コレは──……」 連絡通路の全幅に及ぶ巨体を持つその機械は、青白い光源を宿したカメラアイをリサの方へ向ける。武装一体式の腕部には先ほど男を吹き飛ばしたと思しき多砲身式回転機関砲が携えられており、冷却処理を受けて砲身から蒸気を立ち昇らせていた。 こちらを捕捉したそいつのカメラアイに一際明るい光源が宿り、リサはそのカメラアイに明らかな敵意の内在を垣間見た。腕部が持ち上がり、多砲身式回転機関砲の砲口が付きつけられる直前、リサは瞬間的にその場から前方へ跳躍した。 寸での所で捕捉状態を解除された機関砲の砲火が頭上で吹き荒び、照準補正によって被弾する前にリサは未確認機体の懐から四脚部の前膝部を足場とし、更に胸部に手をついて方向転換、連絡通路の角を曲がって疾走した。上半身部をぐるんと転換させた未確認機が瞬時に反転し、機関砲の弾幕がリサの後を追い縋って来る。背中に食らいつかれる前に前方の角へ飛び込み、直後、砲弾の集中火力が連絡通路を突き抜けた。 「パルヴァライザーだと……?」 改めて口にしたその名称に、リサは事実に変わりようがないながらも疑念を含ませた。機体特徴は明らかに同兵器のそれであり、室内戦及び対人戦闘用に調整された実弾兵装とその機体規格から疑いようはない。 だが、リサがその存在を疑うに至った理由はそこではなかった。 「何故、此処に──」 現場状況から推測しても有力な可能性は何も湧いてこない。リサはその事に若干の焦燥を覚えながらも、現状況を打開すべく行動を開始する。 腰に下げたポーチの外ポケットから対電子障害手榴弾を二つ取出し、それと共に脳部搭載のセンサー群の稼働状態に傾注する。壁を背にした連絡通路の先から続いていた集中掃射が不意に闇、硝煙の香りが強く漂う連絡通路の中をパルヴァライザーが耳触りな足音を立てて接近してくる。 有効障害圏へ侵入してきたのをセンサー群が捕捉すると共に、リサは左手に握っていた二つの種榴弾を連絡通路へ投げ入れた。間髪入れず砲火が反応し、誘爆した種榴弾によって周囲に甲高い破裂音と鈍色の煙幕が飛散する。電子障害によってセンサー群及びレーダーに機能弊害を被った事を確認し、リサは義眼の単純視力のみで角から飛び出した。煙幕の中を迷いなく突き進み、その奥で機能弊害により進行速度の鈍っていたパルヴァライザーに飛びかかる。まともな迎撃を受けることもなく背部へ回り込み、頸部に強襲ナイフの刃先を突き立てた。装甲板を強引にはがし取り、その中に在った接続ジャックを確認。ポーチから伸ばした物理コードを接続ジャックに挿入、自身の頚部の接続ジャックに片方の端子を接続した。 脳部システムを総動員し、パルヴァライザーのAIシステムに電子攻勢を開始。ものの数秒でシステム全域をダウンさせ、機体制御を完全な制圧下に置いた。四脚部を力なく下げて機能停止したパルヴァライザーの後頭部をぽん、と叩く。 「──さて、教えてもらおうか」 制圧下に置いたメインシステムに更なる介入を展開し、パルヴァライザーの行動記録をデータバンクから引き抜きにかかる。メインシステムとは別に自律稼働する防衛プログラムが展開されており、そのいくつかがリサの仕掛けた攻勢プログラムに対して迎撃態勢を取って来たが、慌てることなく処理事項を経ていく。 最後の防衛プログラムを破壊し、大した手間をかける事もなくデータバンクへ侵入、最も新しい行動記録情報を抽出し、それをデジタルディスプレイに出力した。 「──地下核部からの侵入……。何所の遺跡からやってきた?」 情報に更なる精度を求め、データバンクの各部へ電子介入を展開しようとした時、文字通り不測の事態がリサを襲った。停止していたパルヴァライザーのカメラアイが明滅しながら激しい光源を灯し、奇怪な起動音と共にその機体を立ち上げる。取りついたリサを振り払うべく上体を激しく揺さぶり、リサは接続コードを解除してその場から離脱した。 「制圧下から逃れるとは……。──お前、誰に造り直された?」 リサはそう問うたが、パルヴァライザーは無論、それに応えることはしない。データバンクから最後に抽出した情報通りの問いだった。完全に此方を殲滅対象と認識したらしいパルヴァライザーが有効時間の切れた煙幕の中を進み出し、リサはその場からひと先ず離脱すべく連絡通路を置くへ走り始めた。 複雑なステップを踏んで後方から迫る弾幕を最大限回避し、前方自動ドアをくぐり抜けてその先の空間へ飛び出す。施設外上部に直結稼働する資材運搬用の昇降機設備が目に入り、背後から迫りくる砲火の轟音を耳にしながら稼働設備へ走り寄る。 その時、電子処理脳が通信要請を受信した。 「此方【バラハ03】、聞こえるぞ──」 『此方【バラハ01】、作戦推移レベルを更新する。第一種戦闘態勢は此れを維持、統括指令レベルは緊急即応コード:22-033へ移行だ。分かったな?』 「了解。此方も既に類似勢力の襲撃を受けている。此方は現在施設内部を移動中、【レジェス57】との接触合流を試行中。【バラハ01】との合流ポイント及びそれまでの所要時間は?」 『アリーナ地下駐機場へ現着合流せよ。現在交戦接近の為、所要時間は10分前後になる──』 通信を交わす互いの口調は至って平淡なのものではあるが、内容に関してはその限りではなかった。【バラハ01】の指揮官であるガロが口にした緊急即応コード:22-033の系列番号を耳にし、リサは軽く口許を歪めて見せた。 ──先ほどの停電と言い、どうやら施設内のみの事象ではないようだな。 「了解。【レジェス57】と合流後、地下駐機場へ急行する」 「此方【バラハ01】、了解。尚、【レジェス57】へ通常外事依頼が来ている。追って送信する、確認してくれ。アウト」 通信回線の解除を指示し、生憎出払っていた昇降機の制御盤に指を走らせて最高出力での降下を指示した後、それの到着を待たずリサはその場から吹き抜けの上層部へ向けて跳躍した。壁に剥き出しになった鉄骨の骨組みを足伝いにして小気味よく移動し、その傍ら【バラハ01】から送信されてきたデータを開く。 転送元にはターミナルスフィア所長、ノウラの直刻サインが刻まれている。 その羅列情報をデジタルディスプレイ内で瞬時に解読した直後、眼下から幾筋もの火線が噴き上がって来た。 「しつこいものだな──」 両腕部に携えた機関砲を持ち上げながら、追跡を諦めようとしないパルヴァライザーは甲虫を思わせる四脚を使ってほぼ垂直の壁を高速でよじ登り始めた。強化内骨格によって壁伝いに跳躍するリサへ瞬く間ともいえる速度で猛追し、周囲の壁に着弾した砲弾が弾け火花を散らす。 リサは大腿部内蔵兵装の起動を指示し、両方の大腿部機構からスライドして出てきた45口径自動拳銃を握った。頭上を意識しつつ、跳躍の最中に反転し両手に構えた得物を眼下のパルヴァライザーへ突き付け、引き金を絞った。 甲高い銃声が機関砲の砲声に紛れて吹き抜けの壁に反響し、フルオート射撃によって高密度に吐き出された銃弾が過たず目標の頭部カメラアイへ着弾する。 奇怪な動作音を上げたパルヴァライザーがその場で一瞬猛追を止めたが、直後にはその程度の被弾など何でもなかったかのように追撃を再開し始めた。実際カメラアイへの被弾は大した損傷をすら与えていなかったようである。 「こんな軽い弾では効かんか──」 そういった時、既にリサは自身の脳部に搭載されているセンサー群が昇降機上方からの接近反応を捕捉していた。左手の自動拳銃を再び大腿部ホルスターへ戻し、代わりにポーチの外ポケットから人差し指大の円筒形をしたグレネードを抜き出す。上部ダイヤルで効力範囲を調節し、鉄骨を足場に跳躍してから間髪入れずそれを下方に迫っていたパルヴァライザーに向け放り落した。 機関砲から吐き出され続ける弾幕を奇跡的とも言える軌道ですり落ちて行った種榴弾がこつん、という妙に可愛げのある音を立てて頭部に接触、直後、破裂したグレネードの中から目標のカメラ機能を完全に麻痺させる光源が溢れだした。 効力範囲のど真ん中でフラッシュを浴びたパルヴァライザーはカメラ機能を瞬時に再展開したが、その時には既に眼前に最大速度で降下してきた昇降機の床下が現れていた。離脱すべくその場から跳躍するであろう事を既に先見していたリサは、右手に残していた自動拳銃を昇降機のワイヤー部分へ向けてバースト射撃した。集中的に被弾したワイヤーが鈍い破裂音を立てて断裂し、支えを失った昇降機が吹き抜けの壁と衝突を繰り返しながら宙空へ放り出される。 そしてそれは丁度その空域へ離脱していたパルヴァライザーを巻き込み、そのまま押しつぶす勢いで下層部へと落下していった。その様子を見送りつつリサは鉄骨を最後に一度大きく踏みつけ、ターミナルエリアの縁へ降り立つ。 「所詮は単純機械に過ぎんな……」 最下層部から届くおそろしく低い激突音を聞き届け、リサは踵を返してターミナルエリア奥の扉から外部へ飛び出した。 ──アリーナ施設の外部は、混乱の極みと言って良い様相を呈していた。 アリーナ観戦に興じていた観客達が施設エントランスから潮の様に溢れ出し、周囲を人々の波が無秩序に衝突し合う。悲鳴と怒号が入り混じり逃げ惑う一般人達の姿は戦場のソレであり、リサはその途切れぬ光景を視界に収め続けながらアリーナ施設前へ走り寄った。後方から押し寄せてくる観客に押し倒された人間の悲鳴が足元から聞こえたがそれに構うことなくエントランス脇まで辿りつき、作業用開口扉のドアノブに手をかけた。過剰出力でアクチュエータ機構を機能させ、堅固な閉鎖状態に在るドアを強引にこじ開け、施設内郭部に延びる螺旋階段を数段飛ばしで駆け上がっていく。離れた場所から届く警報アナウンスの反響する連絡通路を走り抜け、広大な施設内部を一望できる内郭通路へ飛び出した。欄干に手をついて身を乗り出し、眼下の光景に目を細める。 義眼制御を捜索態勢へ移行し、逃げ惑う観客達の混乱が衝突する施設内の何処かにいるはずであるヴァネッサの姿を探す。 「既に内部にも侵入していたか……」 眼下の広大な観戦ブース空間で何度も発生する観客達の潮の発端を捕捉すると、そこには既に侵入していた対人用パルヴァライザーが猛威を振るっていた。先ほど対峙したパルヴァライザーが使用していたのと同種らしき実弾兵器を周囲を逃げ惑う観客達に向けて無秩序に浴びせかけている。 その存在と砲声から観客達の恐怖心を一層増長し、アリーナ施設地下に在るはずの避難シェルターの存在を忘れて観客達は我先にと外へ逃げ出そうとしている。 観戦ブース空間中央に敷設された大画面モニター下の昇降機には既にヴァネッサの姿はなく、代わりに細切れになった人間と思しき肉片がばら撒かれていた。 アリーナ運営委員会直下の施設警備部実行部隊の隊員達が観客の避難誘導に当たっているが、その声すらも混乱の悲鳴に呑み込まれ効果は全くない。 攻囲陣形を展開した部隊と各パルヴァライザーが、未だ観客達が逃げ惑う施設内で交戦を始め、一層の発砲音が混乱を切り裂く。その中の一発がリサの方へ飛来し、紙一重で頬を掠め背後の壁に弾痕を穿った。 義眼制御に合わせて展開していた強化聴覚が特定情報を無秩序に行きかう生命音から拾い上げ、リサはその方角へ視線を向けた。 「見つけたぞ──」 負傷した警備部の隊員か誰かから接収したのだろう自動小銃を片手に持って逃げ惑う観客達の避難誘導に当たるヴァネッサの姿を確定補足し、リサは欄干を足場に眼下の観戦空間に身を躍らせた。 慣性のままに降下しながら姿勢を整え軟着陸と同時に全速力で疾走、人垣の間を縫うように駆け抜け数秒の内にヴァネッサのもとへ辿り着いた。 全くもって不足の事態に遭遇しながら、一兵士としての責務を果たすべく独断で避難誘導に当たっていたヴァネッサがリサの姿を見咎め口許に安堵の笑みを浮かべる。 「リサ──!」 「怪我はないな、ヴァネッサ?」 「私は大丈夫だけど、如何してパルヴァライザーが……?」 「分らん。だが、事務所の方で事態の把握が進行中だ。移動するぞ、来い」 方角を容易に見失うほどの観客が行き交う周囲に視線を巡らせ、アリーナ地下施設は地下駐機場に直結する連絡口を探索。程無くして北東120メートル先に入口を発見し、その方角へ向けて走り出した。 「待ってリサ、まだ観客の避難が──」 「そんな事を悠長にしている暇はないぞ。お前にはレイヴンとしての責務を果たしてもらう、所員としての初仕事だ」 振り返らず背後を着いてくるヴァネッサに向かって言う。一瞬の空白の後研ぎ澄まされた気配が背後から届き、ヴァネッサがレイヴンとして意識を瞬時に切り替えたことを確認する。 周囲で発砲音が交錯し、視界右手の方から弾幕が吹きすさんだ。後背から被弾して粉々に吹き飛んだ観客や警備部隊員の肉片が周囲に飛び散り、血雨がリサの純白のスーツを叩く。 その事には構わず、リサは足元に転がって来たブルバップ式自動小銃を拾い上げ、銃把にくっついていた隊員の右手を引き剥がす。ぽっかりと空いた空白部分で人間の残骸を踏み砕くパルヴァライザーのカメラアイと視線が交錯し、瞬時にリサは背後のリサと一瞬だけ視線を交わした。 それのみで充分だった。 リサの意図を的確に理解したヴァネッサが自動小銃を構えつつ前方へ突出し、一目散に連絡口へと向かう。その援護をするべくリサは自動小銃を構え、ヴァネッサの背後を全力で走りながら引き金を絞った。 強化内骨格によって規格外の安定性を得た銃弾が過たずパルヴァライザーのカメラアイへ着弾し、その衝撃にパルヴァライザーが不快極まりない機械音を上げる。 そのわずかな隙の間にヴァネッサは連絡口へ到着し、壁を背にしたヴァネッサが援護射撃に出る。文字通り一足跳びで連絡口へ飛び込み、スイッチでヴァネッサが先に地下への連絡階段を降りる時間を稼ぐ為、応対射撃を取ろうとした時、 「何やってんの、早く来なさいこのノロマ!」 「ちょ、無理言うな。なら機材運ぶの手伝え──て、おわっ?」 アリーナ予備大会を取材に来ていた報道陣らしい男女の二人組がリサとパルヴァライザーの間を横切り、遅れた男の方が足元の肉塊に躓いてその場に派手に転倒した。担いでいた機材が破損する切ない破壊音が響き、一時その男女の間でのみ空気が停滞したのをリサは感じ取った。 「置いてくよ、ベランジェ!」 「ま、待ってくれって──げっ」 空回る足を持ち上げようとしていた男がその動作を硬直させる。リサの銃口が捉えているパルヴァライザーが、男の方にカメラアイを向けたせいだった。パルヴァライザーは男女両方に両腕部の機関砲を向ける。 行動判断まで刹那の瞬間もなかった── しかし、眼の前の死の光景に目を瞑るつもりだったリサよりもはるかに早くヴァネッサが動いていた。限りなく身を低くした姿勢でヴァネッサが壁の後ろから飛び出し、牽制射撃をしつつ男の方へ走り寄って行く。 「ちっ、変わらず無茶な真似をする。あの男の影響か……?」 先ほど決勝戦で敗退した知己の男の事を僅かに意識し、リサは自動小銃アンダーバレルのトリガーに指をかけた。射出された躑弾が過たず着弾し、赤々しい爆炎がパルヴァライザーの頭部を包み込む。 その様子に呆気に取られていた男の腕をヴァネッサは強引に掴み上げ、同時に女の方へも声をかけた。 「立って! 貴女もこっちへ早くっ」 その声に弾かれた女が浮ついた足取りでリサの方角へ走り、その後ろをヴァネッサに背を押される格好で男が付いてくる。ヴァネッサとリサの牽制射撃によって男女の二人組が連絡口へ辿り着くが、彼らに一息つかせる間もなくリサは、 「先に降りろ!」 有無を言わさない鋭い口調で指示し、それに反論する余裕もなかったのか男女は連絡階段を慌てて降りて行く。ヴァネッサに彼らの後を追わせ、リサはアンダーバレルの弾倉に残っていた最後の一発をパルヴァライザーへ向けて発砲し、残弾が全て切れた自動小銃をその場に放り捨てて三人の後を追った。 頭上から届く混乱の狂騒が次第に遠のく程度に連絡階段を下りた先の踊り場に居た三人に追いつき、リサは階上を警戒しつつ大腿部内蔵機構から自動拳銃を抜き出した。 「全く、面倒なものを背負い込んだものだな……?」 「無視する訳にもいかないよ」 床にへたり込んでいる男女の傍に立ち、マガジンの交換を手際よくこなしたヴァネッサが言う。既に知己としての付き合いも十年を越え、互いの面倒に対するやりとりは互いの間で飽いていた。 ただ言葉には出さないつもりだったが、リサの任務は事務所から依頼通達が舞い込んでいるヴァネッサを地下駐機場へ無傷で連れて行くことであり、その足枷となるような一般人の二人が付いて来る事に若干の渋りを持っていた。既にヴァネッサが取る行動については見当がついていたが、あえてリサはそれを言葉にした。 「それで、どうするつもりだ」」 「どうするも何も、二人を安全な所まで連れて行かなきゃ。リサ、お願い」 そう言うヴァネッサの表情には既に決意が滲み出ており、しかし、それを見なくともリサがヴァネッサの協力要請を拒絶する理由はどこにもなかった。 非常な困難に対するその強靭な意志こそが現代を生き抜くために不可欠なものであり、ヴァネッサはそれを誰に教わることもなく備えている。 そしてそれを彼女に自覚させた者──ノウラたっての要望でもあったがそれ以上に、リサはヴァネッサという存在の為に彼女を護り通すことを堅く誓っていた。 「貴方達、大丈夫?」 「え、ええ。さっきはありがとう、助かったわ……」 息はいまだ若干上がっているものの既に立ち上がったスレンダーな体格に印象的な赤髪の女が、ヴァネッサに返答を寄こした。男の方もそれを見て壁に手をつき、立ち上がる。 「私はノエラ・ヴィスマルカ。GCN(グローバル・コーテックス放送局)のリポーターよ。こっちは──」 「はあ、はあ……僕はベランジェ。彼女の同僚だよ、宜しく。さっきは本当にありがとう……」 本心に違いないだろうその感謝の言葉にヴァネッサが軽く会釈し、「気にしないで」と言った。かなり憔悴しているようだがベランジェという名の男は、此処から移動する分には問題ないようだった。 「貴方、ヴァネッサね。予備アリーナ決勝戦、見事だったわ。コーテックス本命のジェリーを破っちゃうなんて」 「予備大会は終わった。取材をしたいのなら、この場を切り抜けてから事務所を通してくれないか」 職人技の如き素早さで首元に提げていたマイクを持ち、こんな状況下にも関わらず取材態勢に入っていたノエラをリサは鋭く窘めた。 電子処理脳からネットワークアクセスを完結し、アリーナ施設の詳細情報をアップロードする。 「此処からさらに八階降りて移動だ。油を売っている時間はない、行くぞ」 地下駐機場へは今いる連絡階段を更に八階降り、整備区画を抜けてその奥の搬出用大型昇降機から降りる事で直接到着できる。 前衛を自ら勤め後ろに三人がしっかりついてきている事をセンサー群で確認、ヴァネッサとノエラの小さな会話を的確に拾う。 「あの女性は?」 「あー、ええっと。彼女はリサ、私のオペレーター」 正確にどう答えたものかと一瞬小首を傾げたであろうヴァネッサが言う。それだけで短いやりとりは終わったが、リサは胸中で小さくため息をつき、自動拳銃を構えなおして階下への移動を急いだ。 八階下まではさしたる敵性障害もなくものの数分で辿りつくことができた。 身体搭載のレーダー群を稼働して狭域警戒態勢を展開しつつ、施設運用の為に稼働中の変電設備が唸り声を上げる薄暗い整備区画の中を小走りで進んでいく。 デジタルディスプレイに出力したルートマップでは昇降機は先頭に立つリサから最短距離にして230メートル前方にあった。このままいけるか、と僅かな期待を抱くと同時、搭載センサー群が区画外に浮上した動体反応を捕捉し、リサは警戒態勢を跳ね上げた。ハンドサインを送り、それを見たヴァネッサが後方の二人をストップさせる。ほの暗く狭い連絡通路に飛び出した施設機材の影に身を顰め、リサはセンサー群の稼働率を最大展開で出力した。 嗅覚が鉄格子製の床の下から染み出す作業油の粘った臭いを捉え、鋭敏化した聴覚が幾重にも交る稼働音の中から区画外より接近する動体反応の動作音を正確に追跡する。 「ちっ、易々とは通らせてくれんか……」 続いてハンドサインを送り、ヴァネッサが首肯する。最後尾にいたノエラの後ろを前衛にヴァネッサが回り込み、最短距離となる進路を迂回して別の連絡通路を進行路に再設定し直した。 変わって最後尾についたリサは一つ前のひょろっこい体格をした男、ベランジェとか言うカメラマンが手に携えていた録画中のハンドカメラを見咎め、極めて声をひそめ、 「電源を切れ。その餌に食いつかれたいのか?」 「す、すまない。すぐに消すよ」 獰猛な肉食獣に耳元でも唸られたかのような怖れっぷりでベランジェは慌ててハンドカメラの電源を落とした。 再設定した進行路での最短距離は約550メートル。現在いる第二整備区画から第三整備区画を横断し、その先から大型資材出入用通路を渡っておくの非常用扉から搬出用昇降機の施設空間へ合流しなければならない。 長い道程だが、かといって容易に諦めるのはばかげている。 極力足音を落として進んでいたが、センサー群が動体反応の急速接近を感知し、リサは大きく舌打ちした。 「発見されたぞ。ヴァネッサ、走れ!」 その言葉に前衛を務めていたヴァネッサが後ろの二人組を前へ押し出し、全速力で走り始める。ルートマップ進路上にセンサー群を最大効率で展開し、瞬く間に状況が更新されていく。 更新情報から出入用通路までの距離が数十メートルであると把握した直後、後方八時の方角から雷鳴と呼ぶにはあまりに荒々しい砲声が轟いた。精度を欠いてはいるが高密度に特化した弾幕が吹き荒び、周囲の施設資材を無秩序に破壊していく。跳弾と弾幕が飛び交う連絡通路の中を身を屈めて疾走し、ヴァネッサが一足先に蹴り明けた作業用扉の先から漏れる光を捉え、背後を振り返りつつ牽制射撃を行う。 リサの視界内に、破壊された施設機材の隙間からのぞく青白い不気味な光が飛び込み、その全容を見るまえに作業用扉の先へ身を投げ出した。 大型レールが敷設されている資材出入用通路でまたも転んでいるベランジェとそれを立ちあがらせようとしている、ヴァネッサとノエラを見咎め、 「止まるな、非常用扉まで走れ! 追い付かれるぞ!」 その言葉から数秒の間もなかった。非常用扉を中心とする周囲の壁が高密度火力によって強引に撃ち破られ、内側から砕片を巻き込みつつレーダー上を急速接近してきていた動体反応がその姿を現した。 その巨体がレール上に着地し、大きな振動が通路内を伝播する。 「あのパルヴァライザーか、しつこいものだな……」 通常の対人用機体と比較してひときわ大きいそのパルヴァライザーは先ほどリサが交戦し、昇降機をぶつけさせて突き落したあの機体だった。 多少の破損は被ったらしく、外部装甲の各部が無残に拉げて動作系機構がむき出しになっている。カメラアイの発光パターンからも、その機体が同一機体である事は疑いようがなかった。 壁を吹き飛ばした多砲身式回転機関砲がぐるんとその砲身を展開させ、リサはその場から跳躍した。砲火が煌く刹那、前方を全力疾走で走っていた三人を纏めて横合いへ弾き飛ばし無理やり鉄柱の後ろへ隠れさせる。その瞬間、背後から独特の発砲音が響き、リサは間髪入れずそこから跳躍した。砲弾の一発がリサのタイトスカートを裂き、しかし機動を止めることなく向かいの鉄柱の後ろへ飛び込む。 「ちっ──」 弾避けの鉄柱は耐久に優れ簡単には撃ち崩されはしないだろうが、構造上一本道でしかない連絡通路では充分な戦闘機動が取れない。目的進路の非常用扉は視界前方の奥、約25メートル先に目視できるがそこへの到達は非常な困難を迫られるだろう。 対面のヴァネッサの方を見やると、彼女の奥に押し込まれた非戦闘員の二人はこれ以上ないくらいに身体を縮めていた。特に男のベランジェとか言う方は硬直した顔の色が恐ろしく青ざめていた。火線が走る空間を挟んでヴァネッサと視線を合わせると、無為に焦ってはいないだろうが彼女は首を小さく横に振る。 「向こうは頭打ちか──」 →Next… ④ コメントフォーム 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/urawaza/pages/639.html
■PSP Top | 目錄 | あ行 | か行 | さ行 | た行 | な行 | は行 | ま行 | や行 | ら行 | わ行 ■クライシスコア ファイナルファンタジーVII CRISIS CORE FINAL FANTASY VII ■「攻略・參考」資料 □CRISIS CORE -FINAL FANTASY VII@攻略・まとめwiki ■「裏技・攻略」情報 ●POTION 與神羅ビル的受付前(由展示室前往)女性談話,就可以試飲ポーション。飲用後可以得到状態異常&HP系回復+リレイズ效果が掛かる。 注意如在HP,MP,AP在BREAK的状態、飲用後會回復至MAX、D.M.W也會回到NORMAL狀態。 Top | 目錄 | あ行 | か行 | さ行 | た行 | な行 | は行 | ま行 | や行 | ら行 | わ行 ■PSP